2015年04月02日(木)

自称分析官ヴィルヘルムの迷推理 

自称分析官ヴィルヘルムの迷推理 (メディアワークス文庫)自称分析官ヴィルヘルムの迷推理 (メディアワークス文庫)
著者:十階堂 一系
出版社:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
出版日:2014/06/25

評価〔B-〕 勢いが弱まっているような。
キーワード:分析、謎解き、

「知りたいことを知りたいように知るのが私の信条だからね!分析家を自称するからには当然だね!」(本文より抜粋)


面白そうなものは何でも分析したがるテルこと葵子が、仲の良いカモトキ君と一緒に身近な出来事をどんどん分析していきます。推理ではなく分析なので、きちんと正解が出るとは限らないのがポイントです。彼女は自分の面白いほうへと導くのが得意なのですから。題名からピンときた方もいらっしゃるでしょうが、電撃文庫の「赤村崎葵子の分析はデタラメ」シリーズの続編です。

一見もっともらしく聞こえる説明も、実は違う意図が隠されていることが多く面白いです。これは真実ではないなと思っていても、テルの分析を聞くと妙に納得してしまいます。このあたりは「分析はデタラメ」同様です。また、巻末に某登場人物による裏分析があります。本編で隠されていた部分がこれによって明らかにされます。裏の裏を推理しましょう。これもシリーズ共通ですね。

ただ、高校時代のトレードマークだった帽子を止めて外見が普通っぽくなったせいか、内容も「分析はデタラメ」よりも落ち着いた雰囲気です。ライトノベルっぽさが抜けて良くなったと評する方もいますが、僕は前のほうが好みです。分かりやすさと面白さは前のほうが上だと感じました。事件のインパクトが弱いと言いますか、地味でパッとしないような・・・・・・。もう少し大きな事件があっても良かったんじゃないのかなー。裏分析も唸るほどではありませんでしたし。

だんだんと勢いが弱まっているような気がしますが、このシリーズのファンなので次も期待しています。




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[ 2015/04/02 21:01 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2013年11月29日(金)

万能鑑定士Qの短編集 II 

万能鑑定士Qの短編集II (角川文庫)万能鑑定士Qの短編集II (角川文庫)
著者:松岡 圭祐
出版:角川書店(角川グループパブリッシング)
発行:2012/12/25

評価〔B+〕 今回は全て個別のお話です。
キーワード:鑑定士、知識、雑学、連作短編集

「気づきません? これまで得た情報から導きだされる結論はたったひとつです。もう不可解な謎なんかじゃありません」(第1話 物理的不可能より抜粋)


Qシリーズの短編集2巻です。5編収録されていますが、短編集1巻とは少し違って依頼人も場所も別々です。それはそれで短編集の良さが出ていて良いと思いました。

1巻の感想でも書きましたが、長編でも短編でも面白さはあまり変わりません。凜田莉子の鑑定は瞬時に物事を見破るので、短編のほうが向いているのかもしれません。探偵ではないですしね。事件簿のほうで登場した人物が再登場したり、既に終わった事件として話題に挙がることがあるのも1巻と同じです。

第5章のソメイヨシノ事件は、珍しく読んでいるうちに犯人と真相の予想がつきました。

テンポ良く読めるのが長編との違いでしょうか。事件解決までが早いです。まとまった時間が取れなくても気軽に読めます。




[ 2013/11/29 21:19 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2013年10月14日(月)

万能鑑定士Qの短編集 I 

万能鑑定士Qの短編集I (角川文庫)万能鑑定士Qの短編集I (角川文庫)
著者:松岡 圭祐
出版:角川書店(角川グループパブリッシング)
発行:2012/10/25

評価〔B+〕 短編でも変わらず。
キーワード:鑑定士、知識、雑学、連作短編集

「僕もあのバスケットの正体は知りたいよ。安く買い取ったら意外にも高価な物だったなんて、質屋の夢だからね」(本文より抜粋)


豊富な知識でなんでも見破る鑑定士・凜田莉子が活躍する、万能鑑定士Qの事件簿シリーズの短編集です。短編集とは言っても主要人物たちは変わらず登場するので、正確には連作短編集ですね。

彼女が代官山の質屋、ジャック・オブ・オールトレーダーズに代理鑑定士として働きにくるところから始まります。長編同様、膨大な知識でなんでも鑑定し、周囲を驚かせます。短編になってもあまり違和感ないのではと予想していたとおり、雰囲気は長編とほとんど変わりません。ただ、事件簿シリーズの話が過去のものとして会話の端々に出てくるので、僕のように全巻読んでいないかたにはネタばれになってしまうこともあるのでご注意を。Amazonの商品名に、『万能鑑定士Qの短編集I: 16 』とあったのを見て間違いかと思ったのですが、間違いではありませんでした。やはり出版順に読んだほうがよかったようです。また、過去の事件だけでなく他の巻で登場した人物も登場します。誰かは読んでのお楽しみということで。あ、小笠原は当然のごとく出ていますよ。

Qシリーズを本書から読み始めるのも良いかもしれません。試しに事件簿の1巻を読もうとしても、話が続いているので2巻まで読まなければなりませんからね。少しでもネタばれが嫌な方は、やはり出版された順に読むのがよろしいかと思います。




[ 2013/10/14 09:55 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2011年08月23日(火)

B.A.D.1 繭墨は今日もチョコレートを食べる 

B.A.D. 1 繭墨は今日もチョコレートを食べる (ファミ通文庫)B.A.D. 1 繭墨は今日もチョコレートを食べる (ファミ通文庫)
著者:綾里 けいし
出版:エンターブレイン
発行:2010/01/30

評価〔B-〕 ホラーで狂気なオカルト話
キーワード:オカルト、ホラー、狂気、グロテスク

「理由なく人を殺せるくらいでないと、狂っているうちには入らないさ」(Story 2より抜粋)


少々訳ありの少年・小田桐が不思議な能力を持った絶世の美少女とともに、怪事件を解決していく連作短編の探偵ものです。ともにではなくお供としてが正確かな。ただし、推理する類の読み物ではなく、サスペンスとして楽しむ種類のお話。本の紹介でミステリアス・ファンタジーとあるのを、なぜかミステリー・ファンタジーと勘違いして、読み始めてから自分の思い違いに気がつきました。うっかりしてた。

不思議な事件に探偵コンビが挑むのは、わりと良くある形だと思いますが、本書は怖いに近い暗いです。シリアスなのですが、それよりもホラー・グロテスク・狂気・不気味な・サスペンス等の言葉のほうが似合います。どこか狂った人たちばかり。人間の負の部分が描かれています。表紙をはじめとする挿絵のイメージとは合っていないような……。でも、ゴスロリで唐傘のあざかの姿は違和感があって、それが良いのかもしれません。

印象に残ったのは、あざかの置かれた立場が分かる4話です。千花も久々津もなかなかのキャラ。いかにもこの世界の出来事っぽくて良いです。5話収録されていて、どの話も短めでスパッと終わるのは良いのですが、もう一波乱欲しいような感じがしました。

次を読むかどうか非常に迷います。気に入ったようなそうでもないような複雑な気分です。今回はB-あたりで。





[ 2011/08/23 22:04 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2011年07月30日(土)

キノの旅10 

キノの旅〈10〉the Beautiful World (電撃文庫)キノの旅〈10〉the Beautiful World (電撃文庫)
著者:時雨沢 恵一
出版:メディアワークス
発行:2006/10

評価〔C+〕 長編は賛否両論です。
キーワード:連作短編集、旅、人生、問題提起、

「聞かれたことに、正直に答えてしまっていいんですか?」(第一話より抜粋)


十代半ばの若者キノが、喋るモトラド(二輪車)・エルメスと共に様々な国を渡り歩く物語です。1つの国につき1話となっています。ある程度はどこから読んでも大丈夫です。それでも1巻から読んだほうが良いでしょう。度々登場する人物たちの出会いや過去が分かっていたほうが、より楽しめるでしょうから。

行く先々で変わった習慣、独特な価値観と出会えます。時には面白おかしく、時には社会批判や問題提起のように書かれているのが特徴です。キノは基本は傍観者です。皮肉っぽいのが多めかな。どのような感じかは読んでのお楽しみです。

それにしても久しぶりに読みました。前回9巻を読んだのを思い出せないくらいです。このブログを検索しても見つからないので、少なくとも3年半以上は読んでいません。で、久しぶりに読んでみた感想は、やはり面白いです。「インタビューの国」なんかは実にこのシリーズらしくて良いですね。しかし、本書の半分を占める「歌姫のいる国」は、好みではありませんでした。また、短編の切りの良さに比べると、少々だらだらしたところがあるように感じて残念でした。

読後、8巻と9巻を読み返したのですが、それらに比べると少し落ちると思います。特に「歌姫のいる国」を8巻の「船の国」と比較してしまうと。なので、楽しんだのですが評価はC+あたりで。





[ 2011/07/30 21:40 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)