2015年01月16日(金)

なぜこの店で買ってしまうのか ショッピングの科学 (ハヤカワ新書juice) 

なぜこの店で買ってしまうのか ショッピングの科学 (ハヤカワ新書juice)なぜこの店で買ってしまうのか ショッピングの科学 (ハヤカワ新書juice)
著者:パコ アンダーヒル
出版社:早川書房
出版日:2009/09

評価〔A〕 現場に行こう。
キーワード:買い物、消費者、現場、ショッピングモール、

このような経営評価の手法は、ビジネススクールでは教えてくれない。利潤差額や投資収益や通貨供給量などとは無関係だからだ。店の四方の壁のなかで何が起こっているかがすべてなのだ。(第2章より抜粋)


ショッピングの科学では、商品を買うことのみならず、お客さんが店に入ってから出るまで何をしたのかを全て調べて分析します。全てです。買う買わないはもちろん、値札を見たかどうか、試着したかどうか、誰と来たか、果てはどのくらい滞在したかなど全て記録するというのですから凄いですよね。そんなショッピングの科学の第一人者である著者が、買い物についてあれこれ語った世界的ベストセラーです。

現場で知り得た多くの情報が書かれています。消費者としては当たり前に感じることも、売り手としてはきちんと観察しないと気づかないことも多いのです。例えば、トイレが汚いからあの店に行かない、欲しいものが棚の一番下にあって取りづらいから買わないなど、実際に客として入ると分かることが、店側の人間には意外と気がつかないものです。ちなみに後者の「物がとりづらい」は年配の方の意見です。とにかく観察経験が豊富なので、非常に説得力があり肯けるものが多いです。

印象に残ったのは、お客は店に入る時は入ることしか考えていないので、掲示板や壁紙はほとんど見ていないこと、です。なるほど、確かにそうかもしれないと納得してしまいました。また、商品自身の魅力ではなく、隣に何を置くかで売れ行きが違ってくるマーチャンダイジングの手法も興味深かったです。買い物の主役である女性のみならず、男性、子供、老人にも注目しているのも良いですね。この章の最後、清涼飲料メーカーの例もなかなか面白かったです。

アメリカの小売業を中心に語られていますが、著者の会社は世界展開していて、様々な国々のショッピングや商品、サービスについても紹介しています。アメリカ人なのにアメリカのショッピングがナンバー1と言わないのは、実地調査の経験の豊富さからなのだと感じました。

興味深い内容なのは良いのですが、とにかく本が厚いです。450ページを超えます。なかなか読み終わらないなぁと、途中で何度もページ数を確認してしまいました。2冊にうまく分けることはできなかったのでしょうか。そうすれば、より効率良く(もしくは楽に)読むことができたと思うのですが。個人的な回想やインターネットに対する批評など、本筋から外れたような話もありましたが、内容の濃い有益な本でした。




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[ 2015/01/16 20:25 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)