2016年12月10日(土)

家事労働ハラスメント 



著者:竹信 三恵子
発売日: 2013/10/19

評価〔A〕 日本の生きづらさの原因に迫る。
キーワード:家事労働、育児、介護、無償労働、

男性の雇用は不安定化し女性の稼ぎは重要性を増しているのに、家事を担う働き手を排除する日本の会社は相変わらず多い。そんな中で世帯賃金を稼げなくなった多くの男性と、家事・育児の担い手を嫌う会社の下で十分にカネを稼げない女性との組み合わせによる新しい貧困化が進む。(第1章より抜粋)


家事は誰かがしなければならない重要な仕事ですが、お金を生み出さないので日本の価値観では軽んじられています。1人暮らしをした時に家事をしてみると分かりますが、手間取り時間もかかるもので、家事をしたことのない人からは過小評価されがちです。日本における家事は主に女性が担当していますが、それが社会にどのような影響を与えているのかを説き、問題点を明らかにしています。

家事はそれ自体だけの問題ではなく、仕事や家庭に強く影響し、はては社会全体を動かす力があります。最近では介護するために仕事を辞めなければならない介護離職が問題となってきました。妻の働き方が夫の働き方に影響を与え、それが家族の在り方、生き方まで左右しているのです。

力仕事を除けば仕事における男女差はないと思っていましたが、家事は女性が行うものという慣習のせいで、男性優位な社会が作られていることを痛感しました。育児や介護を一方的に任せられた女性たちの生の声を聞くと、OECDの報告書に「日本は働く女性冷遇」と書かれても文句が言えません。

時代を下るにつれ、家事に協力的な男性が増えてきましたが、個人の努力だけでは限界があります。職場の意識や法の改正により、労働環境の改善が期待されます。

解決案として外国の例が挙げられていますが、中でも専業主婦大国だったオランダの手法は参考になります。西洋は戦後はずっと男女平等だった印象がありましたけどそんなことはなく、地道な努力によって働き方や人生を変えたことを知りました。

夫婦喧嘩の一因になっているであろう家事の分担は、もはや個人の性格や能力のせいだけではありません。女性について書かれた本ですが、男性も是非読んでもらいたい一冊です。料理なんてしたことないなんて方には特にね。




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[ 2016/12/10 21:25 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)