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2018年09月09日(日)

おくのほそ道(全) (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス) 



著者:角川書店 (編集)
発売日: 2001/7/1

評価〔B-〕 意外と堅苦しくないです。
キーワード:古典、俳句、俳諧、詩歌、旅行記、江戸時代、

夏草や兵どもが夢の跡(本文より抜粋)


多くの人が俳句といえば松尾芭蕉、芭蕉といえば奥の細道を連想するであろう有名な作品です。学校で勉強したはずですが、東北地方を旅したくらいしか覚えていませんでした。

芸術関係の本なので、歌集のようにある程度知識がないと楽しめないのかなと危惧していましたけど、万葉集や古今和歌集のように歌だけではなく、風変わりな旅行記を読んでいるようで予想よりもずっと分かりやすかったです。現代語訳も説明が多すぎることもなく違和感がないのが良いです。

あの有名な「松島やああ松島や松島や」は芭蕉の句でなく、近代に作られたもので無縁の駄句と書かれていて驚きました。確かに単純すぎないかとは思っていたのですが・・・・・・。では芭蕉はどんな句を詠んだかというと、絶句して詠めなかったそうです。よっぽど荘厳な景色だったのでしょう。

また、「閑かさや 岩にしみいる 蝉の声」が山形県山寺とは知りませんでしたし、「庭掃きて 出でばや寺に 散る柳」は偉人の人間味あふれる側面が見えて興味深かったです。実際に芭蕉がたどった土地や名所を訪ねてみるのも、面白いかもしれません。



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[ 2018/09/09 11:57 ] 随筆 | TB(0) | CM(0)

2017年12月28日(木)

万葉集 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス) 



編集:角川書店
発売日: 2001/11/1

評価〔B-〕 結構変化に富んでいます。
キーワード:古典、詩歌、奈良時代、

川の上の つらつら椿 つらつらに 見れども飽かず 巨瀬の春野は(本文より抜粋)


日本最古の歌集、万葉集の入門書です。全二十巻、4500余首ある中から選び抜いた約140首を紹介しています。古今和歌集など他の歌集と違い、素朴で率直な力強い歌が特徴です。

自然の美しさや故郷への想いを綴ったものが多いと思っていたのですが、恋愛や夫婦愛、死者を悼むものなど変化に富んでいます。中でも恋愛はもっと時代が下ってから流行したと思っていたので、ちょっと驚きました。隣町でも移動するのには苦労したであろう時代だからこそ、人への思いがよりいっそう高まり歌にしたくなるのもかもしれません。

専門用語も出てきますが、コラムで簡単に説明がありますので心配ありません。枕詞はもちろん、相聞、挽歌、序詞などひととおり解説があります。昔、学校で習った記憶がありますが、あまり覚えていないのでこうしたコラムはありがたいです。

聞いたことのある歌や印象に残った歌を引用してみます。

田子の浦ゆ うち出でて見れば 真白にぞ 富士の高嶺に 雪は降りける


憶良らは 今はまからむ 子泣くらむ それその母も 我を待つらむぞ


賢しみと 物言うよりは 酒飲みて 酔ひ泣きするし まさりたるらし


世間を 何にたとえむ 朝開き 漕ぎ去にし船の 跡なきごとし


防人に 行くは誰が背と 問う人を 見るが羨しさ 物思いもせず



「世間は~」は僧が詠んだ哲学的な歌ですが、いつの世もあまり変わらないなと本当に思います。毎度のことですが、古典を読むと人間は千年くらいでは本質的に変わらないなと思うばかりです。昔の人に親近感を覚えます。

解説は分かりやすいのですが、読んでみて詩歌を楽しむ能力が低いことを実感しました。年を取り素養を身につければ違ってくるのかもしれませんね。




[ 2017/12/28 21:28 ] 随筆 | TB(0) | CM(0)