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2019年09月02日(月)

敗者復活戦! 2 



著者:辻灯子
発売日:

評価〔C〕 穏やか過ぎるのも・・・・・・。
キーワード:古本屋、古書店、4コマ

「この辺りに疎遠にしている祖父母の店があるはずなんです」(本文より抜粋)


元キャリアウーマンを月穂と高校生アルバイトのニーナたちが描く、古書店での日常4コマ。

1巻は人物紹介でこの2巻から何か大きく進展するかなと期待していたのですが、予想よりも何も起きません。月穂をはじめ段々と人物が掘り下げられていくのは良いのですが、生活の中で起きる出来事が現実のそれとあまり変わりなく、よく言えば共感できる、悪く言えば退屈に感じました。もう少し漫画っぽくおもしろ可笑しいやり取りが欲しかったです。

次で最終巻ですが大きな事件は起きるのでしょうか。


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[ 2019/09/02 21:57 ] 4コマ漫画 | TB(0) | CM(0)

2019年05月28日(火)

非社交的社交性 大人になるということ 



著者:中島 義道
発売日: 2013/5/17

評価〔C+〕 実質エッセイ本です。
キーワード:哲学、現代、哲学塾、若者

だが、この際とくに言っておきたいのは、きみと異質な人々を切り捨てるのではなく「大切にする」ことである。(はじめにより抜粋)


題名の「非社交的社交性」とはカントの言葉で、人間は我慢できないが離れることもできない人々に囲まれて生きているという意味だそうです。少し調べてみたところ著者は人間嫌いみたいなので、そういう人が人間関係をどう思いどう実践しているのか、哲学者から見た人付き合いとはどうなのか興味があって手に取りました。

前半は哲学のエッセイと著者の半生が書かれています。エッセイの部分はカントが中心でまったく知らないことが多く興味深かったです。学問とは少し外れた哲学者の飲み会の話題は何か、なども面白いです。少子化などの社会問題には触れないところがいかにもって感じですよね。

後半は著者が主催する哲学塾について、日頃思っていることや印象に残る出来事を綴っています。特にある種の特徴、言葉を額面通りに受け止め批判に弱い生徒たちの言動を紹介しています。はじめは穏やかに紹介しているのですが次第に辛辣になって、少々戸惑いましたしあまり良い気分ではありませんでした。そして、前半では自分は哲学を続けているので真っ当な社会人とは違うと言っているけれど、後半では生きづらそうに生きる生徒たちに対してもっと真っ当になれと諭しているのが、なんだか皮肉っぽくて印象に残りました。

上記のとおり本書は哲学の本というより哲学者のエッセイです。勘違いしないように注意してください。



[ 2019/05/28 22:19 ] 随筆 | TB(0) | CM(0)

2019年04月11日(木)

山田秀樹短編集 とある女子大生の日常にみる 



著者:山田 秀樹
発売日: 2009/10/24

評価〔C〕 ギャグが激しいです。
キーワード:ギャグ、短編集、

「ねぇ久美ちゃん、たまにはこういうのどう?」(本文より抜粋)


4つの物語からなる短編集ですが、表題作のみ6つの連作短編集という変則短編集です。全部で6編。

ギャグの勢いが凄いです。スラップスティックそのものといったところ。特に最初のブルマのあれはなんだか圧倒されました。笑えるのかと言われると、私はあまり合わなかったような・・・・・・。ギャグ一辺倒で1冊終わるのかと思っていたら、最後の2編はガラッと雰囲気を変えて恋愛ものです。最後まで読むと感想や評価に迷う1冊だと分かりました。

うーん、どちらかというと後者のほうが印象に残ったかな。ギャグと恋愛どちらが上手かったかは別として。また、著者は表題作の6話目が漫画っぽくなったと評していますが、絵柄だけで言えば3話や4話あたりのほうが好みでした。



[ 2019/04/11 21:03 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2019年03月30日(土)

生贄のジレンマ〈下〉 



著者:土橋 真二郎
発売日: 2010/12/25

評価〔C-〕 唐突な展開がどうも・・・・・・。
キーワード:ホラー、囚人のジレンマ、学園、

――これはコミュニケーションなのだ。自分だけの行動では意味がないのだ。(本文より抜粋)


中巻の終盤の出来事によってゲームは大きく動き出しましたが、それでも予想よりは静かな展開でした。個人ではなく集団の思惑が鍵を握ると思っていただけに意外です。

気になったのはそこではなく、北校舎での出来事です。理不尽なゲームに巻き込まれるのはそういうものだと分かります。その中でしっかりと物語が繋がっていけばよいのですが、どうも唐突な展開に感じられ違和感が残りました。重要な共通項があるのは理解できますが、著者が書きたい場面だけ書いたような印象がありました。5階でのあの勝負も。

一つの場面でのやり取りや心理描写は興味深いし、考えさせられるところもあったのは良かったです。読者をハラハラさせる点は秀でていると思います。しかし、生徒の数を活かしきれていないところや、結末がはっきりせずぼんやりしているのは残念でした。



[ 2019/03/30 20:44 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2019年03月09日(土)

恐怖の構造 



著者:
発売日:

評価〔C〕 一個人の考察です。
キーワード:恐怖、ホラー映画、ホラー小説、

我々が恐れている感情の多くは「恐怖」ではなく「不安」なのではないか。(本文より抜粋)


題名は心理学のそれですが、内容はホラー小説化が恐怖について語るエッセイです。

新書のように体系立てて書かれていないので話がやや散文的ではありますが、恐怖という感情を仕事にしている方が恐怖についてどう思っているのか知ることができます。説得力があると感じたのは恐怖と不安の違いです。対象がはっきりしている恐怖と、漠然とした感情の不安の違いを上手く説明していて興味深かったです。他には創作のジャンルとしてのホラーの定義も、なかなか新鮮で面白いです。

ただし、これらの意見は著者の個人的な体験をもとに書かれているので、客観的な裏付けがあるわけではありません。あくまで一個人の価値観です。何か根拠となる実験や調査結果があればぐっと説得力が増すのですが・・・・・・。

最後の章で精神科医の方と恐怖をテーマに対談をしています。途中で精神科医の方が、平山さん(著者)が怖いものではなく平山さんが怖いって話じゃないのと言っていて、私が思っていたことを代弁してくれたかのようで印象的でした。やはり小説家って感性が少し違うのかなって思ってしまう対談ですので、著者のファンの方は読んでみることをおすすめします。



[ 2019/03/09 21:36 ] 随筆 | TB(0) | CM(0)