2017年03月22日(水)

タイムマシン (光文社古典新訳文庫) 



著者:ウェルズ (著), 池 央耿 (翻訳)
発売日: 2012/4/12

評価〔B〕 意外と古さは感じませんでした。
キーワード:SF、イギリス文学、

「大方は絵空事に聞こえるだろう。それはそれで、やむを得まい。が、どう取られようと、私の話は何から何まで本当だ」(本文より抜粋)


とある会合で発明したタイムマシンを披露したタイム・トラヴェラーは、翌週の会合で痛々しい格好で現れます。そして、自分が体験してきた時間旅行について主人公たちに語り始めます。物語は大部分がタイム・トラヴェラーの語りで進みます。回想なので臨場感に欠けますが、物事を整理して語られているので読みにくいということはありません。

昔の人の予想する未来だから、現代と比較して未来像が当たったり外れてたりするのだろうなと予想していましたけど、それは大きく外れました。タイム・トラヴェラーが行ったところと現代の違いは、日本と外国ぐらいだと思っていたら、まるで別の星ではないかと思うくらいかけ離れていました。ある程度は当時のイギリス社会を反映しているのでしょうが、それを抜きにしても興味深いです。映像化したら衝撃的で面白いかもと考えながら読んでいたら、解説で既に映画化されていることを知りました。やっぱり他の人もそう思うよね。

本編の後に、著者の補遺、評論家の解説、著者の短い伝記、日本人研究家の解説、そして訳者あとがきが収録されいます。本書の3割を占めていて、本編をより深く理解したい人には良い読み物です。私は本編にだけ興味があったので、これらはさらっと読んでしまいましたけど。



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[ 2017/03/22 21:45 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2017年03月22日(水)

Q.E.D.証明終了 43 



著者:加藤 元浩
発売日: 2012/10/17

評価〔B+〕 騙しあいは面白いです。
キーワード:推理、謎解き

「取引を成功させたきゃ相手のことを徹底的に調べるんだ・・・セールスの基本さ」(本文より抜粋)


ある殺人事件のアリバイ崩しを考える「検証」と、投資をめぐって有能セールスマンと対決する「ジンジャーのセールス」が収録されています。

「検証」は、推理物らしく殺人事件の謎を解くのですが、真相があっさりし過ぎてあまり面白くなかったです。燈馬が示した証拠も、犯人を断定するには少々弱いような気がしますし。

一方、「ジンジャーのセールス」は騙しあい、コンゲームのようで面白かったです。誰が誰を騙せるのか。敵に回ってみると分かる燈馬の恐ろしさ。(笑) 私の予想は外れましたが、結末はこの漫画らしくて好きです。



[ 2017/03/22 21:40 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2017年03月14日(火)

新装版 マジックミラー 



著者:有栖川 有栖
発売日: 2008/4/15

評価〔B+〕 わかりやすく面白いトリックでした。
キーワード:アリバイ、推理、双子、文庫化

「みんなにある。いわゆるアリバイが」(第三章より抜粋)


密室とアリバイは推理物のツートップ、のような文章をどこかで読んだことがあります。その二大ジャンルのうちのひとつ、アリバイを主題とした推理小説です。

冒頭の殺人事件を追ううちに電車の時刻表が出てきた時は、正直好みじゃないからつまらないなあと思っていたのですが、ここで投げ出さなくて良かったです。なぜなら、第二の事件の真相が分かりやすく面白かったからです。ミステリマニアの方々からしたら、もしかしたら見慣れたトリックなのかもしれませんけど、複雑でなく意外性があって楽しめました。

第七章で推理作家が話すアリバイ講義も興味深かったです。事件をとくヒントにもなりますが、それを抜きにしても様々なタイプのアリバイ作りが書かれていて面白いです。もう少し語って欲しかったです。あとがきに書かれたアリバイの作例に興味が出てきました。後で読んでみようかな。



[ 2017/03/14 21:44 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2017年03月02日(木)

ダーウィンズゲーム 10 


著者:FLIPFLOPs
発売日: 2016/10/7

評価〔B+〕 イベントの裏側も面白くなってきました。
キーワード:デスゲーム、現代、超能力、アクション、

「なんだか随分面白い話をしてらっしゃいますね」(本文より抜粋)


島では仲間と敵がはっきりし始めましたが、参加者たちはまだまだ手探りで生き延びる方法を模索します。

慣れない状況でのサバイバルが続くのかと思ったら、イベントに直接参加していない人たちも動き出し、盛り上がり始めました。なんか唐突な感じもしましたけど、あれくらいでないと本当に単なる応援になってしまうし、面白いから良いかな。

イベント外の出来事があったため、あまり話は進まなかったのにもかかわらず、分からないことが増えていきます。最後の会話によると、今までとは本質的に違うイベントみたいだけど・・・・・・これから明らかになっていくのでしょう。



[ 2017/03/02 21:48 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2017年02月25日(土)

電話男 (ハルキ文庫) 



著者:小林 恭二
発売日: 2000/06

評価〔B〕 評価が難しいなぁ。
キーワード:電話、コミニュケーション、文庫化、

わたくしたち電話男は、もともと人の話を聞く一方の存在でして、すすんで、人に話をするような習慣は持ち合わせておりません。(本文より抜粋)


電話男は無報酬でどんな話も聞き、文句も言わず自分からは電話を切りません。ただ相手の話を聞くだけの人々は、個人にそして社会にどのような変化をもたらすのか。同じ世界をそれぞれ違う角度から見た、中編2つを収録しています。1987年に出た単行本を文庫化したものです。

2編とも人と人とのコミュニケーションを描いた物語ですが、インターネットや携帯電話が普及する前に書いたとは思えないほど、古さを感じさせません。某が個人的な考えとして知恵と感覚について語っていますが、これがなかなか興味深いです。一過性の社会問題なのか、それとももっと重大な何かなのか。

個々の具体的な物語から人類共通の抽象的な話へと移っていくので、娯楽小説のような良くある分かりやすい面白さはありません。もっと本質的なことを語っているのですが、分かったような分からないような・・・・・・もう一回読まなきゃダメかな。つまらなくはないですが、面白いかと言われると躊躇ってしまいます。抽象概念が好きな人には進めますが、人を選ぶ本だと思いました。



[ 2017/02/25 21:35 ] 小説 | TB(0) | CM(0)