2017年07月16日(日)

白熱日本酒教室 



著者:杉村 啓、 アザミ ユウコ
発売日: 2014/11/26

評価〔A-〕 美味しく健康的に飲みましょう。
キーワード:アルコール、日本酒、特定名称酒、居酒屋、

ここで断言してしまいますと、世の中にあなたがおいしいと思う日本酒は必ずある。それぐらい、日本酒は味の幅が広く、懐が深いお酒に進化しました。(P13より抜粋)


今年になって日本酒に興味を持ち始めました。蔵元や銘柄によって味に差があるみたいなのですが、知識がないので少しずつ調べながら味見しています。人気があるかどうかはネットを見ればだいたい分かりますが、知識がほとんどないので分からないことばかり。興味を持った今が良い機会だと思い、本で学ぶことにしました。という訳で本書です。

題名は呑兵衛のための本っぽいですが、初心者向けです。新書にも関わらず、いきなり数ページの漫画から始まるので読みやすいです。説明も堅苦しくなく、一つの項目も長くないので気軽に読めます。ラベルの読み方からお酒の選び方はもちろん、悪酔い防止法や保存法、温度と味の関係と、毎日呑んでいるいる人でも知らないかもしれないことにも触れています。

勉強になったのは、製法による名称の違いの説明です。山廃や生酒、無濾過の違いが分かって良かったです。でも、それらの味の違いももう少し説明して欲しかったかな。また、器で味わいが変わるのは初めて知りました。どうりで「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」なんてものがあるわけだ。

これらの知識を参考にして、まだ飲んだことのない自分の舌に合う酒を見つけ、二日酔いしない程度に楽しむつもりです。



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[ 2017/07/16 23:09 ] 実用 | TB(0) | CM(0)

2017年07月06日(木)

信頼学の教室 



著者:中谷内 一也
発売日: 2015/12/17

評価〔A-〕 程良くくだけた会話で読みやすいです。
キーワード:信頼、心理学、現代、

ナカヤチ「さて、ここで問題です。なぜ、信頼が高いという、良い話はあまりないのでしょうか?」(2日目より抜粋)


最近は、組織や有名人の謝罪会見は珍しくありませんが、同じような失敗で誤っているのに、なぜか違う印象を受けることがあります。信頼できそうと思うこともあれば、どうもまた同じことを繰り返しそうだと感じることもあり、うまく言葉にできません。何が違うのでしょうか。本書では、信頼や信用の仕組みを丁寧に解説していきます。

通常の説明文とは異なり、若手メーカー社員のシンジ君が、心理学が専門のナカヤチ先生の個人講義を受ける形で、説明しています。冗談を交えて進むので、硬い文章が苦手な人でも比較的読みやすいです。くだけた雰囲気ではありますけど、内容はしっかりしたもので、社会調査のアンケート方法も詳しく丁寧に書かれています。また、各章の最後にまとめがあり、あとで読み返す際に便利です。

対象の信頼度によって、何が一番影響力があるのか変わってくるのが面白いです。信頼を既に得ている人の方法を、信頼されていない人が真似ても、同じ効果が得られないのは分かる気がします。賛否が分かれる行動では、公正さが重要視される点も興味深かったです。また、信頼とは逆の裏切りも一緒に議論されています。最終的な行動が同じ場合でも、自発的か受動的かによって、相手の印象が大きく変わるのは覚えておいたほうが良さそうです。

具体例が東日本大震災に少々偏っているのが気になりますが、それ以外は分かりやすく、勉強になりました。こうした読みやすくためになる新書が増えると嬉しいですね。





[ 2017/07/06 20:29 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2017年06月17日(土)

女子高生アイドルは、なぜ東大生に知力で勝てたのか? 



著者:村松 秀、 五月女 ケイ子
発売日: 2016/3/16

評価〔A-〕 発想力は鍛えられる
評価〔B+〕 発想力は鍛えられる
キーワード:科学、アイドル、東大、テレビ番組、

ロケから帰ってきたすイエんサーガールズたちは、口々に「脳から火が噴いた」と叫ぶのが常だ。それぐらい、頭をグルグルと使うのである。(第1章より抜粋)


番組内で日常で起きる些細な疑問に挑戦してきたアイドルたち・すイエんサーガールズが、企画の一つとして有名大学の学生たちとの知力勝負をするのですが、彼女たちは強敵相手に予想以上の善戦します。なぜこんなに強いのか? 知力と彼女たちの強さの秘密に迫ります。

知力勝負の内容は、自由度の高い柔軟な発想が求められるものです。学生たちの知識を活かした思考力はもちろん、すイエんサーガールズの発想力には舌を巻きました。時には、それでいいの?と思ってしまうような結論で、実際に好記録を出してしまうのは、先入観に囚われないことの素晴らしさを感じます。

著者は番組で培った考える力・グルグル思考と、それを鍛えることによって育まれる知力に注目しています。答えなんてあるのだろうかと思ってしまうような疑問を何度もこなしてきた彼女たちは、相当頭を使ってきたはずです。例えば、「なんで足の小指を角にぶつけてしまうのか?」。これなんて、何が問題点なのかから考えないと答えにたどり着きませんよね。考えに考えることで、発想力や実践力を含む知力を高めていったのは納得です。

彼女たちが挑んだ問題が、読者のためのグルグル思考問題集として挙げられています。グルグル思考を7つの力に分けて、楽しく学べます。発想力を向上させる参考にしても良いですし、単に娯楽として読んでも楽しいです。ロウソクの火を一息とガッツポーズの問題は興味深かったなぁ。ただ、7つの分類した力はどこかで見たことがあるような感じで、斬新さはなかったです。

「知力の格闘技」はどの勝負も白熱しました。どのチームも発想豊かで、どのような打開策が出てくるのかを見ているだけでも面白かったです。かなりワクワクしながら読みました。会場で見てみたかったですね。総じて難しい理論や数式を使わず、知識ではなく知力について楽しく書かれた、楽しい科学読み物でした。



[ 2017/06/17 18:43 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

2017年05月27日(土)

キミとは致命的なズレがある 



著者:赤月 カケヤ、 晩杯あきら
発売日: 2011/5/18

評価〔A-〕 後半の急展開が良かったです。
キーワード:サスペンス、学園、記憶、

「最近、何か変わったことは起こっていないか?」(三章より抜粋)


ここ数年の記憶しかない高校生・海里克也が、不可思議な現象を体験するようになり、非日常の世界へと迷い込んでいくサスペンスです。第5回小学館ライトノベル大賞・優秀賞。

まあ記憶がないってところからしてかなり怪しげです。序盤から伏線を見逃さないよう警戒し、主人公の断片的な記憶や周囲の人間の言動から真相を推量しながら読んでいたのですが、うまく騙されてしまいました。著者のミスリードに見事にひっかかったようです。どの場面もつじつまがあうのは巧妙でした。これは強引かなと思うところもありましたが。推理するのも可能・・・・・・かもしれませんが、サスペンスと表現したほうがしっくりきます。

序盤から中盤にかけてじわじわ怖くなってくるのは良いのですが、テンポが良いとは言えず少々退屈でした。しかし、途中から少しずつ真実が明らかになり、驚きつつもどんどん引き込まれ最後まで一気に読みました。特に、遠崎家の場面で隠されていた秘密が暴露されるのは、その場面の結末とともに衝撃的でした。

ライトノベルっぽさはあまり感じられず、一般書籍として出しても違和感なさそうです。



ネタばれ話は続きにて↓
[ 2017/05/27 21:30 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2017年05月07日(日)

結婚と家族のこれから ~共働き社会の限界~ 



著者:筒井 淳也
発売日: 2016/6/16

評価〔A-〕 余裕を持って暮らしたい。
キーワード:結婚、家族、共働き、専業主婦、

家族をセイフティ・ネットとせざるをえないような社会とは、同時に家族がリスクになる社会でもあります。(本文より抜粋)


現代の日本の家族は晩婚化、未婚化、少子化と、数世代前とはまったく異なる特徴や問題を抱えています。このまま進むと家族は一体どう変化していくのでしょうか。本書では歴史や社会学の知見から、現代の家族について分析しています。

意外だったのは、古代では男性優位の社会ではなかったことです。個人よりも子孫を残すことが最も重要であり、家族ではなく村のような小さな共同体が構成員を守っていて、男女関係も厳格ではなくかなり自由だったみたいで興味深いです。歴史の流れで男性優位となり、専業主婦が誕生し、共働きへと変遷していく様子が分かりやすく説明されています。

家事や介護の問題は、他の本でも読んだのでそれほど衝撃的ではなかったのですが、共働きがもたらす格差は知らなかったので少々驚きました。恋愛や結婚を個人的な体験談ではなく、収入の面に注目して考察しているのがいかにも学者の本らしいです。同類婚や異類婚の概念はなんとなく分かっていましたが、きちんと専門用語があったんですね。家族・税・格差の関係が簡潔に示されているので、これから政治を志す人たちには知っていてもらいたいです。

著者の主張するように、家族に縛られることがない社会となるのか、それとも、今までにない新しい形となるのかまだ分かりません。しかし、過去や外国の現状を踏まえて、家族のありかたや問題を包括的に学べる良い本だと感じました。




[ 2017/05/07 17:37 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)