2018年01月11日(木)

性と法律 



著者:角田 由紀子
発売日: 2013/12/21

評価〔A-〕 少しずつ改善していこう。
キーワード:法律、男女差別、価値観、慣習、

職場で女性が働くときに性的なことにかかわって屈辱的な扱いを受けたり、それによって職を失なったりすることが珍しくなかったことは、この裁判の証拠とした実態調査結果報告書『女6500人の証言』でも明らかであった。(5セクシャル・ハラスメントより抜粋)


男女平等の世の中と言われていますが、人々の価値観や慣習はすぐには変わらず、なかなか差別をなくすまでは至っていません。例えば、男女で賃金や雇用形態が異なるのは徐々に改善してはいますが、昔から問題となっています。弁護士として40年以上働き、この問題に従事してきた著者が、得た女性の声や現状を説明しています。

結婚、ドメスティック・バイオレンスと章ごとに項目が分かれているので、読みやすいです。法律には疎いので、こうして整理して書いてくれると分かりやすくて助かります。戦前のことにも触れていますけど、現在進行形の問題もあります。予想していたよりも男女で差があることに驚きました。どの章からも著者の怒りが伝わってきました。印象深かったのは、「性暴力の暴行の程度を問うのはおかしい」「妻に強姦罪が適用しないのもおかしい」です。

また、法律の専門家でも、慣習的な価値観から抜け出せない人が数多くいることにも驚きました。家長は男性(夫)で、その権利と義務があると感じている人は現在でも多そうです。ところで、この女性差別の裏には、男性はこうあるべきと考えている場合も多いと思います。男は仕事をしてお金を稼ぐものだ、とか。仕事も家事も男女関係なく行うものなのですが、意識の面ではまだまだ昔の差別的な価値観が残り続けています。意識は当事者たちだけでなく社会全体の問題なので、自分も気をつけようと思います。

読んでいると著者の怒りは理解できますが、他の問題も複雑に入り組んでいる場合もあるので、簡単にはいかないなと思うこともいくつかありました。慰謝料を払わない元夫は、低賃金で払えないのかもしれませんし、DV対策に警察や国は配慮してくれないとありますが、人員と予算が足りていないのかもしれません。

男性は責められているように感じることもあるかと思いますが、男女どちらが読んでもためになる本です。




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[ 2018/01/11 23:09 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2018年01月02日(火)

エンバンメイズ 6 (完) 



著者:田中一行
発売日: 2016/12/7

評価〔A〕 すっきり終わって良かったです。
キーワード:ダーツ、賭け事、心理戦、

「オレは、人生を始めるためにここまで来た」(本文より抜粋)


地獄の砂時計を使用したゲーム。そして、ついに施設を牛耳る者と、レインボウの異名を持つ最強のプレイヤーが登場します。ページ数増量の最終巻です。

ルールは簡単なのに、内容が厳し過ぎる最後のゲーム。あれって現実でもできるのでしょうか? 180点が当たり前の百発百中の凄腕ばかりでダーツの腕に差はなさそうですが、ゲーム中のミヤコの発言を見るに、やはり差はあるみたいですね。

面白い漫画は幕をどう下ろすのか難しいのですが、本シリーズは引き伸ばすことなく、きちんと決着をつけて終了するのが良かったです。どのゲームもテンポ良く進んで楽しめました。

シリーズとしての評価もAです。対決もので面白いものは何かない?と尋ねられたら、自信を持ってこの漫画をおすすめします。次も面白いワクワクする漫画を期待しています。




ネタばれ感想↓
[ 2018/01/02 19:05 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2017年12月28日(木)

エンバンメイズ 5 



著者:田中一行
発売日: 2016/8/5

評価〔A-〕 読みあいがスリルがあって良いです
キーワード:ダーツ、賭け事、心理戦、

「迷路の悪魔は、完全に迷路の中にいる」(本文より抜粋)


求道者よりも上の存在である「純粋」皆月司と徨の一戦。

ルールがやや複雑でどのような勝負になるのか予想できませんでしたが、あのような展開になるのは、プレイヤーの二人には分かっていたようですね。皆月司は数々の相手を倒してきただけあって、頭もまわるし弱点もないように見えます。強敵だ。

いつもゲームの最後の決め手に驚かされますが、今回もそうでした。気がついてみれば、あっそうかと思うような策も、ゲーム中はなかなか気がつかないものです。またうまく騙され、楽しめました。

徨側の観客が増えたせいか、内容が分かりやすく変化もあって面白くなっています。これで次が最終巻とはもったいない・・・・・・。次の試合もまったく予想がつきません。意外な試合を見せてもらえそうです。




[ 2017/12/28 21:26 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2017年12月12日(火)

おとなのほうかご 1 



著者:イチヒ
発売日: 2016/12/23

評価〔A-〕 短いせいか勢いがあります。
キーワード:超短編、ギャグ、オムニバス、恋愛、

「こんな時は彼の声を聞いて癒されましょ・・・」(本文より抜粋)


題名と表紙からはアルコールを含めたグルメ漫画のようですが、テンポの良いギャグ漫画です。

1つのエピソードが4~5ページと少ないのが特徴です。また、主人公が決まっている訳ではなく、男性と女性が一人ずつ登場し物語が展開していきます。オムニバス形式ですが、登場人物たちに緩い繋がりがあります。恋愛感情をギャグにしたものが中心で、女性は個性的でいわゆる残念美人が多いかな。

最初は物足りなかったのですが、どんどん読んでいくと、テンポの良さと小気味よい笑いで面白いです。大笑いはしませんでしたが、ちょっとしたやりとりに思わず笑ってしまいました。

下品でもないし不愉快になるような笑いもないので、誰でも安心して読めるし勧められると思います。



[ 2017/12/12 21:48 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2017年11月16日(木)

白熱洋酒教室 



著者:杉村 啓、 アザミ ユウコ
発売日: 2015/10/23

評価〔A-〕 飲んでみようかなという気分になりました。
キーワード:アルコール、洋酒、ウイスキー、ラム、ブランデー、BAR、

ただここでちょっと気づいて欲しいのは、洋酒の蒸留酒は世界中で飲まれている、愛好家の多いお酒だということです。苦手意識をなくし、どんな飲み方でも飲めるようになれば、これほどおいしいものはなかなかありません。(本文より抜粋)


著者の日本酒の本を読んだので、今度は洋酒の入門書を読んでみました。

洋酒にどのような種類があるか分からない人のために、人気のある3つの蒸留酒――ウイスキー、ラム、ブランデーを紹介しています。残念ながらワインやビールなどの醸造酒は登場しません。でも、確か著者はビール教室も出していたはず。興味のある方はそちらを読んでみてはいかがでしょうか。

それぞれの原料や飲み方はもちろん、等級や産地、どのような歴史を歩んできたかも少しずつ書かれていてなかなか興味深いです。他には選び方や買い方、さらに楽しむためにBARや工場見学も勧めています。読むだけでも結構楽しいです。日本酒教室同様一つの章も短めで、章末にまとめもありますので、後で読み返す時も便利です。興味をもったのは甘めのウイスキーであるバーボンと、癖が少ないホライトラムかな。

蒸留酒は経験によって美味しさが分かるようになる、という記述に目から鱗が落ちました。後天的味覚か。確かに最初はまずいと思っても、回数を重ねるうちに徐々に美味しく感じるようになるものはあります。緑茶はそうでした。かなり昔にウイスキーもブランデーも味見をしてダメだと諦めたことがあったのですが、またちょっと飲んでみようかなという気分になりました。



[ 2017/11/16 21:43 ] 実用 | TB(0) | CM(0)