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2011年10月09日(日)

二年四組 交換日記 腐ったリンゴはくさらない 

二年四組 交換日記 腐ったリンゴはくさらない (集英社スーパーダッシュ文庫)二年四組 交換日記 腐ったリンゴはくさらない (集英社スーパーダッシュ文庫)
著者:朝田 雅康
出版:集英社
発行:2010/10/22

評価〔S-〕 氏名特定パズル小説
キーワード:パズル要素、学園、交換日記、群像劇、青春、恋愛

交換日記ってそういう風に書くのか? 直接名前書くのは駄目なのか?(第二章より抜粋)


帯に「パズル感覚 学園青春小説」と銘打たれていて、どのようなものかと本を開き、口絵の在籍生徒一覧を見てすぐピンときました。一クラス全員の本名を当てる小説なのだと。

問題児ばかり集めたある高校のクラス。委員長の発案で交換日記をつけることになります。日記では誰が書いたか分からないようにするため、生徒たちは時には異名で、時には本名で記述されます。性格や能力に応じてつけられた異名は、よく合っていて分かりやすいです。日記に書かれた生徒たちの発言や友人関係などから、ある高校のひとクラス全員の本名を探ります。第9回SD小説新人賞佳作受賞作。

名前を特定するのは、メモをしながら読めば、複雑ではありますが非常に難解という訳ではありません。三馬鹿が誰が誰だか分かりづらかったですけど。この探る作業が非常に面白かったです。中盤あたりで次々と判明していくので、終盤は日記に本名しか書かれてきなくても理解できます。逆に、本名を異名に変換したほうが分かりやすいです。お気に入りは機械女・インドア男・虐待男。

パズル要素に比べて、キャラクターや展開は斬新とは言えず、いかにもラノベ的です。描写も少ない生徒もいます。しかし、35人の生徒とすべて登場させた上で辻褄を合わせ、ストーリーを破綻させることなく書ききったのは凄いと思います。多少の欠点は気になりません。欲を言えば、もっとページ数が欲しかったかな。

35人という一見多すぎる登場人物に、うんざりだと感じなかったのはイラストの功績だと思います。性格が良くでていて混同しないように描かれた生徒たち。こうした絵の力を使えるのは、ライトノベルならではです。表紙と裏表紙の絵はそれぞれの関係がよく表れているので、読了後に見返してみると納得するでしょう。

かつてバトルロワイヤルを読んだ時に、混乱しないようにファンがイラストをつけた名簿をプリントし、脇に置いてチェックしたのを思い出しました。

とにかく本名と人間関係を解き明かすのが楽しかったです。久しぶりに夢中になりました。クロスワードのようなラノベで、パズルが好きな人はきっと気に入ると思います。面白かったです。次回作はどのような本を出すのか、楽しみです。




ネタばれ、異名=本名と書き手の備忘録は続きにて。
[ 2011/10/09 11:13 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)