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2018年05月18日(金)

決してマネしないでください。 1 



著者:蛇蔵
発売日: 2014/12/22

評価〔B+〕 軽めでコミカルな偉人紹介です。
キーワード:科学史、科学者、伝記、偉人、理系、

「全員手を洗いましょうか。ゼンメルヴァイスの冥福を祈りながら」(本文より抜粋)


研究者の偉人たちをコミカルに紹介する科学史もしくは伝記漫画です。子供向けの伝記漫画が近いですが、あれよりもずっと短くコミカルです。

大学の理系の研究室が舞台で、個性的な先生と学生、そして科学に詳しくない人が登場することによって、自然科学が苦手な人にも読みやすく親しみやすい形となっています。伝記と言ってもその生涯をまるごと伝えるのではなく、かなり省略して必要な逸話のみ触れていますので、軽くさらりと読むことができるのも長所です。

本筋とは関係ない雑学も知らなかったものが多く、話のタネとして面白いです。科学って難しくてと敬遠している人や子供にはちょっと読んでみてほしいです。漫画だから取っつきやすいですし。






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[ 2018/05/18 20:09 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2017年08月29日(火)

ヘンな論文 【電子特別版】 



著者:サンキュータツオ
発売日: 2015/3/25

評価〔B+〕 世の中ひろい。
キーワード:論文、研究、

だって湯たんぽの研究をして、湯たんぽの全貌がつかめたとして、だから何だというのだろう。(十三本目より抜粋)


お笑い芸人兼研究者という珍しい人生を歩む著者の趣味は、変な論文の収集です。変な研究と聞くと真っ先に思い出すのがイグノーベル賞ですが、それに勝るとも劣らぬ独創的な論文が紹介されています。

世間話やあくびの研究あたりは、何に役に立ちそうか分かりそうですが、中には一見真意が読めない論文があって興味深いです。一見謎な論文も、著者がその本質を分かりやすく説明してくれるので心配ありません。学者ですが一般人の目線で説明するのが上手いです。論文説明の合間にあるコラムは分かりやすくてためになりました。4つの分類は理解の助けになります。また、どの論文も著者の情熱が伝わってきます。好きなことを好きなだけ取り組めるのは幸せだなと改めて思いました。

数多く紹介するためか、1本に割ける分量が少なくなってしまったのが残念です。要点は知ることができますが、もっと無駄な、いや研究の細かいところも読みたかったです。あっさり説明されている研究も、あの意気込みならば、元の論文ではもっと情報がつまっているはずですから。

終盤の論文の無断引用、無断転載の問題も、もっと知られて欲しいですね。まだそういうことをする人がいるとは、なんとも悲しい限りです。

電子特別版には、巻末に紹介した論文の著者たちに会いに行った記録「先生訪問記」が収録されています。電子版のほうがお得です。



[ 2017/08/29 22:45 ] 実用 | TB(0) | CM(0)

2017年06月17日(土)

女子高生アイドルは、なぜ東大生に知力で勝てたのか? 



著者:村松 秀、 五月女 ケイ子
発売日: 2016/3/16

評価〔A-〕 発想力は鍛えられる
キーワード:科学、アイドル、東大、テレビ番組、

ロケから帰ってきたすイエんサーガールズたちは、口々に「脳から火が噴いた」と叫ぶのが常だ。それぐらい、頭をグルグルと使うのである。(第1章より抜粋)


番組内で日常で起きる些細な疑問に挑戦してきたアイドルたち・すイエんサーガールズが、企画の一つとして有名大学の学生たちとの知力勝負をするのですが、彼女たちは強敵相手に予想以上の善戦します。なぜこんなに強いのか? 知力と彼女たちの強さの秘密に迫ります。

知力勝負の内容は、自由度の高い柔軟な発想が求められるものです。学生たちの知識を活かした思考力はもちろん、すイエんサーガールズの発想力には舌を巻きました。時には、それでいいの?と思ってしまうような結論で、実際に好記録を出してしまうのは、先入観に囚われないことの素晴らしさを感じます。

著者は番組で培った考える力・グルグル思考と、それを鍛えることによって育まれる知力に注目しています。答えなんてあるのだろうかと思ってしまうような疑問を何度もこなしてきた彼女たちは、相当頭を使ってきたはずです。例えば、「なんで足の小指を角にぶつけてしまうのか?」。これなんて、何が問題点なのかから考えないと答えにたどり着きませんよね。考えに考えることで、発想力や実践力を含む知力を高めていったのは納得です。

彼女たちが挑んだ問題が、読者のためのグルグル思考問題集として挙げられています。グルグル思考を7つの力に分けて、楽しく学べます。発想力を向上させる参考にしても良いですし、単に娯楽として読んでも楽しいです。ロウソクの火を一息とガッツポーズの問題は興味深かったなぁ。ただ、7つの分類した力はどこかで見たことがあるような感じで、斬新さはなかったです。

「知力の格闘技」はどの勝負も白熱しました。どのチームも発想豊かで、どのような打開策が出てくるのかを見ているだけでも面白かったです。かなりワクワクしながら読みました。会場で見てみたかったですね。総じて難しい理論や数式を使わず、知識ではなく知力について楽しく書かれた、楽しい科学読み物でした。



[ 2017/06/17 18:43 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

2017年02月18日(土)

もしも宇宙を旅したら 地球に無事帰還するための手引き 



著者:ニール・F・カミンズ (著), 三宅 真砂子 (翻訳)
発売日: 2008/4/19

評価〔B+〕 科学的検証が現実味をもたせています。
キーワード:宇宙旅行、太陽系、惑星、無重力、

宇宙へ行くと、半数以上の人が微小重力状態に入って数日の間に、宇宙適応症候群、あるいは宇宙酔いと呼ばれるものを経験する。(第5部 医学的な危機より抜粋)


宇宙飛行士が宇宙船の中からテレビ中継する姿は、あまり珍しくなくなりました。電子機器の進歩やネットの発達によって、地球にいても鮮やかな地球の映像を見ることができます。しかし、一般の民間人が外国旅行のように宇宙へいくには、現時点では、まだまだ先の話になりそうです。

もし、この先、宇宙へ気軽に行けるようになるとしたら、どのような点に気をつけるべきなのか。未知の世界での危険について、宇宙物理学者が細かく検証したシミュレーション本です。

空気・放射能等、各項目を短く区切り、宇宙や物理学にあまり詳しくなくても理解できるよう書かれています。空気、水、重力の問題はすぐ思いつきますし、宇宙線や太陽風による放射線の影響も少しは知っていましたけど、思っていたよりも色々と問題点があり驚きました。放射線による機械の誤作動、宇宙酔い、概日リズムのずれ。変わったところですと、惑星・衛星での地震や地すべりの危険性、閉鎖空間に長期滞在する精神への影響が興味深かったです。

ぼんやり想像していた宇宙がほんの少しだけ身近なものとなる、夢のある科学読み物です。SF小説を書く人は読んでいるんでしょうね、きっと。



[ 2017/02/18 21:32 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

2016年06月15日(水)

人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの 



著者:松尾 豊
発売日:2015/3/10

評価〔A-〕 超えるのはもうしばらく先になりそうだけど・・・・・・。
キーワード:人工知能、科学、コンピュータ、IT、

ディープラーニングによって、これまで人間が介在しなければならない領域に、ついに人工知能が一歩踏み込んだのだ。(本文より抜粋)


日本で屈指の人工知能の研究者が、人工知能がどのように発展してきたか、人工知能にとって何が難しいかを、分かりやすく解説しています。

上のサムネイルは単行本版ですが、所持しているのはKindle版なので、アニメ「イヴの時間」で登場する人工知能が表紙のものです。そういえば、数年前、学会誌にアニメ風のイラストを使用したことで話題になったことがありました。それが著者が編集長を務めたものだそうです。

人工知能をレベル分けして、流通倉庫の労働者や天気予報を例にした説明は、かなり分かりやすく面白かったです。後者の説明によって、ディープラーニングと特徴が完全に理解したとは言えませんが、分かったような気になりました。自分で概念を獲得する、つまり自分で物事を区別する線引きができるようになるのは、相当凄いですねよ。

そうして得た意味・概念が、人間のものとかなり違ってしまう可能性があり、今度は人間と人工知能とのやり取りを難しくと予測しているのは、専門家ならではの発想だと思いました。これは本能の話と連結していて面白いです。生物が持つ本能も、もしかしたら人工知能が獲得する日が来るのかもしれません。

欲を言えば、もう少し現在の研究を紹介してほしかったです。半分くらい人工知能の歴史でしたので、新しい事例を知りたかった。また、技術的な記述が多いので、機械で生活や社会の仕組みがどう変化するのかを知りたい方には、やや物足りない内容かもしれません。

本書の題名の問いには、最後に答えが書かれています。科学者・研究者の予想は当たるとは限りませんけど、最先端を走っている著者が言うと説得力がありますね。どうなるんだろう。



[ 2016/06/15 22:07 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)