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2018年11月26日(月)

透明のココロ 



著者:琴葉とこ
発売日: 2015/3/6

評価〔B-〕 もう一癖あっても良かったのでは。
キーワード:大学生、短編集、悩み、恋愛、友達、

玲美は大学に入って変わった。変わってしまった。(本文より抜粋)


大学生の男女の悩みをそれぞれ描いた短編集です。

突拍子もないことではなく、十分あり得る出来事や会話がたくさんあります。素直になれなかったり、恋愛の悩みだったり、ふと急接近した相手と戸惑ったり。こういう青春を送ってこなかった気がするので、羨ましいやらまぶしいやら。「クラスカースト」や「さよなら終電」は味があって良い感じ。

全て読み終わってから表紙の登場人物たちの目標や、カバーを外した表紙の直したいところを見るとなんだか納得ですし微笑ましいです。でも、もう少し突っ込んだ心理描写があっても良かったかな、とも思いました。



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[ 2018/11/26 18:30 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2018年07月29日(日)

満願 (新潮文庫) 



著者:米澤 穂信
発売日: 2017/7/28

評価〔A-〕 推理の感心とホラーの恐怖を。
キーワード:暗黒ミステリ、短編集、ホラー、文庫化

『全宇宙の生命を脅かすモノ―― 災いの渦』(本文より抜粋)


温泉宿、交番、遠い異国の村と、実に多種多様な舞台と職業の人たちを描いた不穏な雰囲気が漂うミステリ短編集です。このミステリーがすごい2015年1位、週刊文春ミステリ2014年1位、ミステリが読みたい2015年1位、そして第27回山本周五郎賞受賞。

スパッと明るく解決ではなく、最後に明かされる恐ろしい事実で幕を引く短編ばかりなのが特徴です。暗黒小説と言うのでしょうか、それともサスペンスホラーのほうが近いかもしれません。ただ悪意や恐怖のみではなく、推理小説作家らしくまず謎があり終盤に真実が明かされる構造となっています。どの短編もさりげなく伏線がはられていて巧みです。「万灯」はやや長く感じましたけど、見事な終わり方だと思います。

また、美しい女性とその娘たちが主役の「柘榴」は非常に印象に残る短編でした。一人称で淡々と進むので一見本書には不釣り合いに思えますが、ある人物の真意が分かると全てが違って見えてきて驚きました。実写ドラマ化が見たい気もしますが、実際の映像にすると陳腐なものになりそうなので、読み手の想像に任せるのが良さそうです。それぞれが最適な人物像を想像できるのは、小説の利点ですね。

語り手から見て、知るすべのない他の登場人物たちの心情をあれこれ推理するのが興味深い短編集でした。殺人事件を扱うよくある推理小説でもなく、日常の謎でもないものを探している人は試しに読んでみてはいかがでしょうか。ちなみに同著者の「儚い羊たちの祝宴」と同じタイプなので、「儚い羊」が気に入っている人はきっと楽しめるでしょう。




[ 2018/07/29 23:10 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2018年01月02日(火)

へんなねえさん 



著者:吉富昭仁
発売日: 2013/10/10

評価〔B+〕 ピノチュピ、仕事それで良いのか。
キーワード:短編集、SF、ギャグ、現代、

ある日突然・・・俺に姉ちゃんが出来た。俺はこの15年間ずっとひとりっ子だったはずだが・・・。(本文より抜粋)


個性的な少女たちが好き勝手遊ぶ、奇想天外な短編集です。

題名どおり変な美少女が登場し、不思議な出来事を楽しんでいます。ジャンルとしては日常もの・・・・・・のように見える軽めのSFかな。それと、結構性的な描写があります。エッチな、では済まなそうなので、その方面が苦手な方はやめておいたほうがいいかも。あっさり描いてありますが。

著者も、あとがきで変な漫画を描いてしまったとあるくらい、すぐには似たようなものは思い浮かびません。独特の雰囲気。

どの短編も1回で終わらず続きがあります。最後には意外な事実が明かされるのですが、それが予想よりも練られていたので感心しました。まさか、感心するとは思ってもみなかったです。




[ 2018/01/02 19:01 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2017年10月19日(木)

日本以外全部沈没 パニック短篇集 



著者:筒井 康隆
発売日: 2006/6/24

評価〔C〕 確かに勢いはあります。
キーワード:短編集、SF、高度成長期

「ブワナ・ヤス。ミサイルの仕入れ、あなたも来てほしい」(「アフリカの爆弾」より抜粋)


表題作を含む11編の、パニックを主題とした短編集です。

まず題名のインパクトが凄い表題作ですが、元ネタは小松左京の「日本沈没」です。しかし、それを未読でも十分楽しめます。私も読んでいませんし。時代は経済高度成長期の頃でしょうか、当時の有名人が次から次へと登場します。今では昔の人ですが、この頃に読んだらもっと面白かったことでしょう。他の短編「新宿祭」「農協月へ行く」など、この時代の影響を強く受けたものが多めでした。

滅茶苦茶な設定ばかりですが、どこか現実味があり、社会風刺のようでした。皮肉が効いている、とでも言うのかな。どれもテンポが良く、ドタバタ劇のようでした。「アフリカの爆弾」はあまり時代を感じさせない内容ですし、「黄金の家」は短編らしい切れがあって良かったです。

しかし、結末は投げっぱなしで、この後も暴走は続きます的なものが多かったのが残念でした。綺麗にオチがついているのもあるので、もう少し終わりが良ければなあ。



[ 2017/10/19 22:03 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2017年09月14日(木)

世界八番目の不思議 3 (完) 



著者:宇島葉
発売日: 2017/3/15

評価〔C+〕 ユニークなシリーズでした。
キーワード:短編集、オカルト、SF

「そんなあなたにサキュバスさしすせそ」(本文より抜粋)


ジャンルこちゃまぜ独特の短編集も3巻で完結です。

相変わらず非日常の設定なのに、登場人物たちは日常系漫画のように違和感なく生活しているズレが楽しいです。携帯に目覚めたあの人や幽霊の人なんか特に。

慣れのせいなのか、1巻に比べて勢いが落ちていると感じました。また、恋愛も悪くはないですが、携帯の人や僧侶の人のようにコミカルのほうが好みです。カップルの会話や雰囲気を楽しみたいときは、恋愛漫画を読むと思うので・・・・・・。おまけらしい「EXTRA WONDER」も、残念ながらどこか物足りなかったです。

今度は短編でなく、長い物語を読んでみたいです。やはりギャグになるのでしょうか。SFでもオカルトでも何でもいけそうですね。



[ 2017/09/14 22:40 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)