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2020年06月24日(水)

ダークツーリズム 悲しみの記憶を巡る旅 



著者:井出明
発売日: 2018/7/30

評価〔B〕 心に余裕がある時に行きたいです。
キーワード:ダークツーリズム、旅行、歴史、負の遺産、

勉強や学びなどという言葉を大上段に振りかざさなくとも、悲しみの場に赴き、そのこで過ごすのであれば、心に何かが沁み始める。(本文より抜粋)


ダークツーリズムは人類の悲劇の地を巡る旅を指します。悲劇とは戦争に限らず、天災や公害なども含まれるそうです。本書では日本におけるダークリーリズムの第一人者である著者が、この新たな旅の形を紹介します。考察や分析よりも紹介を重視し、著者が実際に行ってきた体験談が中心となっています。紀行文です。

視野が広がり新しい経験をすることは基本的に良いことです。しかし、観光地のイメージを考えると日本ではダークツーリズムの人気が出るとはあまり思えません。旅といえば楽しく明るいものとして宣伝しているので、歴史を学んだり気分が沈むような体験は固いし敬遠されるのではないでしょうか。かといってないほうがいいわけでもなく、興味を持った人が見てその良さを知ってもらえば徐々に広まっていくでしょう。また、普通の観光と組み合わせた、例えばグルメとダークツーリズムが混ざった旅ならば十分受け入れてもらえそうですし学ぶ機会のある有意義なものとなりそうです。

章の最後に旅のコツとして「旅のテクニック」が記載されているのがよいです。旅慣れていない人も旅に出られそう。読んでいて興味を持ったのは網走監獄でしょうか。時代を反映した刑務所が実際どのような場所だったのか見てみたくなりました。監獄食を食べられるのも興味深いです。囚人労働の模擬体験は凄いですね。

昔、長崎に一人旅をしたときに原爆資料館と平和公園を訪れたことがあります。歴史に強い思いがあったのではなく単にふらっと行ってみたのですが、暑い日だったせいか色々と感慨にふけってしまいました。私は知らず知らずのうちにダークツーリズムを体験していたようです。気分はどうだったかというとずっと落ち込むことはなく、その後の観光も楽しめました。



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[ 2020/06/24 21:28 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2019年08月17日(土)

ふしぎの国のバード 6 



著者:佐々 大河
発売日: 2019/7/13

評価〔B+〕 なぜか異国情緒があります。
キーワード:旅行記、明治、日本、

「バードさんの旅は自分が思うよりずっと、永く広い意味をもつのかもしれない」(本文より抜粋)


山形県から秋田県へ羽州街道を進みます。

バードとイトのそれぞれの問題は一度棚上げにして、明治の日本をめぐる旅に戻ります。地方の独自の習慣も魅力的ですが、ここでは日本全国ほとんど同じだったであろう文化や生活習慣が紹介されています。

現在と大きく印象に残ったのは、火事に対する庶民の考え方です。バードに共感する人のほうが多そう。当時の人はたくましいなあ。一方、紙漉き職人たちの一番の楽しみは、おそらく今の職人でも同じではないでしょうか。分かる気がします。これからもそうあって欲しいものです。

時代が大きく変化する時期に注目してみると、道中出会ったある医師の価値観は格好良かったです。彼が史実の人物かどうかは知りませんけど、あの時代にあのような志を持っていた人はやはりいたのだと思います。古いメスと彼の師の逸話もなかなか良いです。

終盤に明かされたある事実は、二人の旅にどう影響するのでしょうか。次も面白そうです。


[ 2019/08/17 22:06 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2019年08月07日(水)

ふしぎの国のバード 5 



著者:佐々 大河
発売日: 2018/10/15

評価〔A-〕 良い昔話でした。
キーワード:旅行記、明治、日本、

「運命はいつも自分自身の意志のの中にあるのよ!!」(本文より抜粋)


探検続行を阻む大きな障害を前に、バードと伊藤はどのような決断をくだすのか。

旅自体は進まず主にバードの過去が語られます。彼女はどのような経験をしてきたのか、現在のような生き方はいつ始まったのかが明かされ非常に興味深いし面白いです。現在ではネットで検索すれば簡単に得られるような情報も、当時は誰に聞いてもわからず現地に行ってもそれでも分からないことが多かったと想像できます。

印象深かったのはある冒険家の旅をする理由と、現地ガイドの生き方です。それが終盤の彼女の使命の話に繋がっていて心打たれました。日本の旅が進まなかったのは残念ですが、この過去編が読めて十分満足です。過去編の冒頭を漫画の初めにしても面白かったかもね。

困難に対してどのような解決策があるのか。次の巻に注目です。



[ 2019/08/07 06:55 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2019年07月03日(水)

忍者はすごかった 忍術書81の謎を解く 



著者:山田 雄司
発売日: 2017/7/28

評価〔B-〕 仕事が多くて大変そうです。
キーワード:忍者、忍術書、日本史、

忍術の三病とは、一に恐れ、二に侮り、三に考えすぎである。(第四章より抜粋)


超人的な身体能力を持ち闇に生きる印象の強い忍者ですが、忍術書からは表社会で人ごみに紛れて地味に活動する姿が読みとれます。やはり戦闘員というよりは諜報員で、いかに人の信用を得るか、いかに人の心を見抜くかに重点が置かれているのかが分かりました。

前半はなんだか自己啓発書のようであまり新鮮さは感じませんでした。昔から同じようなことを教えて、または教えられているのですね。後半のほうが興味を持つ項目が多く、相手の本性・本心を知る方法や忍びの適性とは何かは面白かったです。

また、とりあげている項目は良いのですが、原文の次に訳文があり最後に解説文と古典の参考書のような構成が、やや単調で退屈に感じました。

それにしてもこうした忍術書が残っていたとは意外でした。ただ本文にも、忍術書は概要を書いたもので大事なのは自分の目で見て感じ考えること、とあるので、実践できてこその忍者なのでしょう。主人や評論家ではないのですから。


[ 2019/07/03 22:36 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2019年04月23日(火)

最後のレストラン 10 



著者:藤栄道彦
発売日: 2017/11/9

評価〔B+〕 同じパターンですが面白いです。
キーワード:料理、偉人、歴史、グルメ、

「多分、ひと口で勝負つくわ」(本文より抜粋)


店の状況が変化し登場人物も増えて、少しずつではありますが変化が見られます。しかし、劇中で某が言っているように、園場はあまり変わっていないように見えます。彼は変わらないけれど、周囲の人々が彼によって変わったのでしょう。

難しい注文をうまくこなす姿は相変わらず格好良いです。漫画としては教訓はほどほどで説教くさくないのが丁度いいと思います。著者の主張が強過ぎると娯楽としては面白くなくなってしまいますので。

残念ながらお見合い相手の好美の出番は少なく、恋愛事情の変化はありません。10巻を超えたので次はそろそろ大きく動くのかな。


[ 2019/04/23 22:39 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)