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2019年08月17日(土)

数学的決断の技術 やさしい確率で「たった一つ」の正解を導く方法 



著者:小島寛之
発売日: 2013/12/13

評価〔A-〕 便利だけど使いこなれるでしょうか。
キーワード:確率・統計、数学、

確率そのものが曖昧性を取り込んだ表現であるにもかかわらず、その確率さえも「0.8または0.9」と二股をかけてもっと曖昧性を持たせることにどんな意味があるのだろうか。(第9章より抜粋)


他人の決断について大まかな理由はよく聞きますが、それに至るまでの過程や考え方の詳細を聞くことは稀だったと思います。人によって様々な決断方法を数学的に解明できるのかと興味を持ち、本書を手に取りました。

大まかな分類で4つのタイプに分けられ、それぞれの思考の癖を読み解いています。4つのうち期待値基準、マックスミン基準、マックスマックス基準はどのようなものか知っていましたけど、最大機会損失・最小化基準だけは名前も知らなかったので興味深く読みました。概念の解説ではなかなか具体例が思いつきませんが、いくつか例を挙げているので理解の助けになります。ピンとこなかった最大機会損失・最小化基準の例として、恋愛の告白が書かれていてなるほどと納得しました。

マックスミンの章でゲーム理論とホームズ対モリアティ教授のゲームが紹介されていますが、どちらも最適解・結論までは知らなったのでためになりました。確かに数学的に解いていているのが分かります。また、マックスマックスを選ぶ人の心理を数字を使って説明していた点も面白かったです。少しはギャンブラーの気持ちが分かったかもしれません。

他にも和が1にならないシェーファーの信念度関数や複数信念の確率論も、決断するものによってはかなり有効そうなので覚えておきたいです。前者の考え方は新鮮でした。最後に著者も書いていますが、迷ったときはなんとか数値化してより良い決断がくだせるようになりたいものです。



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[ 2019/08/17 22:12 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

2019年06月28日(金)

数学女子 5 〔完〕 



著者:安田 まさえ
発売日: 2015/5/30

評価〔B+〕 それぞれの将来が想像できます。
キーワード:数学科、女性、大学、

数学は違うもの同士に関わりをもたせる学問だって聞いたことがある。(本文より抜粋)


就職が決まった学生、進路に迷う者や恋愛に迷う人々、それぞれの大学4年生の後半から卒業までの様子が描かれています。

こうして今でも少数派であろう理系女子に焦点を当て、無駄に引き伸ばすことなくしっかりと4年間を表現した漫画は貴重です。大学生活漫画としては真っ当な展開でしたけど、本シリーズではそれが良かったです。変に奇をてらうことなくて。

1巻を読み始めた頃からみてかなり意外な進路に進んだ人もいますが、5巻の時点ではなるようになったというのが素直な感想です。今後も彼女たちならなんとかやっていけそう、かな。

おまけのエピソードも含めて面白かったです。機会があったら是非数学科卒の女性の感想が聞きたいです。



[ 2019/06/28 21:42 ] 4コマ漫画 | TB(0) | CM(0)

2019年06月08日(土)

数学女子 4 



著者:安田 まさえ
発売日: 2014/9/27

評価〔A-〕 なつかしいなあ。
キーワード:数学科、女性、大学、

「何よ、相談じゃなくて決意表明じゃない」(本文より抜粋)


就職する者も進学する者もついに面接や試験が始まります。

ゆみの意外な心境の変化あり、まなも大胆な決断ありと山あり谷ありです。3巻同様きちんと大学生の生活や心理の変化を描いていて、こうした現実味のある理系の日常を紹介してくれる漫画は少ないと思います。教授たちの気持ちも理解できるし、まなの母の様子もよく見る光景です。高校生や文系だった人にも雰囲気は伝わるはず。数学の難しさは別として。

次で最終巻なので、進路や恋愛も全て決着がつくのでしょうか。スパッと綺麗に終わって欲しいです。


[ 2019/06/08 21:45 ] 4コマ漫画 | TB(0) | CM(0)

2019年05月11日(土)

数学女子 3 



著者:安田 まさえ
発売日: 2012/4/7

評価〔B〕 T島ってどこだ。
キーワード:数学科、女性、大学、

「数学は大の得意だったのですよ?」(本文より抜粋)


穏やかな大学生活も学年が上がるにつれ忙しくなるのはどの学科も同じようです。

試験勉強をしたり、友達と旅行したり、アルバイトしてみたりと実に日本の大学生らしい大学生活が描かれています。なかなか実態に近いんじゃないかな。進路を模索する場面なんかも良い感じです。よくある単なる日常系ではなく、今まで以上にしっかりとした数学科4コマ漫画になっています。

登場人物たちの掘り下げも忘れてはいません。お金が好きなギャンブラーさえこの意外な価値観が、ある出来事とともに語られます。また、同じく個性の強いA教授の意外な一面も明らかになります。いや、意外でもないか。いやいや個人的なイメージとしては意外でした。まなと同じ感想です。両者の見方が少し変わりました。

まなは劇中では馬鹿にされているけれど、大学の数学は難しいのに、数学科で留年なく進級できているのは凄いと思います。次もがんばれ。


[ 2019/05/11 22:16 ] 4コマ漫画 | TB(0) | CM(0)

2019年04月17日(水)

図解・ベイズ統計「超」入門 



著者:涌井 貞美
発売日: 2013/12/17

評価〔A〕 厳密でないのが興味深いです。
キーワード:ベイズ統計、数学、入門書

先生「条件付き確率の問題に出会って困ったら、まずベイズの定理を試してみるといいわ。」(4-1より抜粋)


統計や確率は知っているけれど、ベイズ統計を知っている人はあまりいないと思います。本書ではこの便利で応用の幅が広いベイズ統計を、ベイズの定理から分かりやすく解説する入門書です。

まず会話形式で分かりやすいです。読者が考えそうな質問や疑問もこの会話の中で挙げられ、図や表と共に丁寧に説明しています。数学が苦手な方でも分かるように、数式を文章に置き換えて表現しているのも良いです。データと仮定という言葉で定理を書き換えるのは理解しやすかったです。計算がまったくないわけではありませんが、意味が分かれば難しくありません。統計学の知識がなくても大丈夫そうです。

前半ではいまいち凄さが分からなかったベイズの定理も、後半では様々なものに適用できるのが分かり面白かったです。難病Xの問題や迷惑メールの例を読むとこの定理の利便性や実用性が分かります。使い方次第で人の心理を確率で判断できるのには驚きました。あくまで確率ですけど。

基本的な考え方といくつかの応用例のみですが、ベイズ統計がどのようなものか知りたい方にはおすすめの一冊です。分かりやすい、これに尽きます。


[ 2019/04/17 21:20 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)