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2019年06月19日(水)

致死量未満の殺人 



著者:三沢 陽一
発売日: 2015/9/17

評価〔A-〕 分かりそうで分からないです。
キーワード:推理、クローズドサークル、ハウダニット、

「それでは、皆さん、弥生さんに何らかの恨みを持っていたわけですね?」(本文より抜粋)


雪山の別荘で起きた殺人事件を被害者の同級生たち4人が推理します。単なるクローズドサークルものではなく、冒頭である人物が別の人物に自分が犯人だと自白するのが特徴的です。第3回アガサ・クリスティー賞。

殺害方法を推理する所謂ハウダニットものです。ハウダニットという言葉を知ってからこの類の小説を読むのは初めてかも。犯人も動機も分かっているので推理する部分が少なく自分でも解けるかもと思って推理するのですが、犯人以外の同級生のように真相は分かりませんでした。怪しいなと目をつけていた動作が鍵となっていたのは良かったのですが、それが犯行とどのように繋がっているのかを見破れなかったので悔しいです。裏表紙に書かれているようにどんでん返しがあります。終盤まで読んでここからどう読者を騙すのか興味がありましたが、読んでみてなるほどと感心しました。

ただ、最後に明かされた事実は少々半端だったように感じました。もっと納得できる強い伏線が欲しかったです。また、事件発生まで長く冗長に感じたり、分かりにくい専門用語も出てきて読みにくいと思う人もいそうです。

推理すべき点が狭く明確なせいか、推理してみたくなる面白さがありました。それと登場人物が推理小説のわりに少なかったのも個人的には良かったです。


ネタばれ一言↓
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[ 2019/06/19 19:59 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2019年05月11日(土)

殺人鬼探偵の捏造美学 



著者:御影 瑛路
発売日: 2017/11/22

評価〔B+〕 なるほどなるほど。
キーワード:推理、探偵、殺人鬼、

とても美しかった記憶はあるのに、どうしてもその顔が思い出せない。(第一話より抜粋)


美形で人気の精神科医・氷鉋(ヒガノ)が、副業で探偵業をしさらに裏では殺人鬼・マスカレードとして暗躍する一風変わった推理ものです。

事件のアリバイやトリックが一番の見せ場ではなく、事件の全体像が最大の謎です。誰がどのような動機で動いているのか、誰の言っていることが本当なのか。劇中で触れているミスディレクションが、誰から誰へのものなのか。目まぐるしく事態は変化してたびたび事件の見え方が変わってくるので、面白くて一気に読んでしまいました。

どんでん返しがある物語は珍しくありませんけど、本書は一体何回ひっくり返ったのでしょうか。終盤で再び出てくるあの文章の意味が分かった時は、本当に驚きましたし感心しました。あれ、きちんと全て見抜いた人は凄いです。

個人的にはミステリにしては登場人物が少なく、いちいち容疑者を覚える必要がないので読みやすかったです。巻頭で20人くらい名前が書かれているのを見ると、読む気がそがれます。

思っていた推理ものとは違っていましたけど、このようなタイプの本も結構好みです。


ネタばれを少しだけ↓
[ 2019/05/11 22:15 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2019年04月27日(土)

あなたは嘘を見抜けない 



著者:菅原 和也
発売日: 2017/7/20

評価〔B〕 嘘をついているのは誰なのか。
キーワード:廃墟めぐり、オフ会、推理、恋愛、

彼女の死には、なにか裏があったんじゃないだろうか?(P75より抜粋)


一年前に旅先で突然亡くなった恋人・美紀の死に疑問を覚え、高辻は真相を探ることを決意します。同時進行で孤島の廃墟めぐりツアーの様子も描かれ、両方の物語から真相を推理するミステリとなっています。

彼女の旅がネットで知り合った人たちとの旅行という時点で何かありそうな雰囲気でしたが、まんまと著者のミスリードにひっかかってしまいました。題名にある嘘は見抜けませんでした。それでうまく騙されてしまったのは良いのですが、孤島の社宅での事件の謎解きはいまいちすっきりしません。あのように書いているからには可能なのでしょうが・・・・・・詳しい人の意見が聞きたいです。

読後感があまり良くなかったので絶賛はしません。題名の嘘を看破する自信のある方には是非挑戦してもらいたいです。


[ 2019/04/27 17:11 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2019年03月30日(土)

風ヶ丘五十円玉祭りの謎 



著者:青崎 有吾
発売日: 2017/7/20

評価〔B+〕 登場人物たちの個性が出ています。
キーワード:推理、学園、連作短編集、文庫化

「・・・それが他のよくわからないとは別の意味でよくわからん話でさ。向坂と裏染に相談したんだよ」(天使たちの残暑見舞いより抜粋)


裏染天馬シリーズ初の連作短編集です。学食や部活と日常に現れた謎を解き明かしていきます。全五編。

オタク趣味の探偵なので少々ライトノベルのような雰囲気がありましたが、本書では各章に扉絵がありますのでよりラノベ感が出ています。しかし、肝心の推理のほうは長編と同じように切れの良い推理が楽しめますのでご安心を。気に入ったのは「天使たちの残暑見舞い」です。謎あり笑いありで意外性ありで面白いです。

5つの短編は3つの長編と並行した物語なので、できれば長編を先に読んだほうがいいのかも。読まなくても楽しめるとは思いますけど、知っている人物が多いほうが読みやすいかな。

また、長編ではなかなか焦点が当たらない登場人物たちの詳細も描かれていて、このシリーズをさらに楽しめるようになっています。長編より気軽に楽しめるので、このシリーズを読み続けている人には特におすすめです。


[ 2019/03/30 20:43 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2019年02月05日(火)

閻魔堂沙羅の推理奇譚 負け犬たちの密室 



著者:木元 哉多
発売日: 2018/5/23

評価〔A-〕 被害者も千差万別です。
キーワード:ミステリ、死後、連作短編集、

「しかし、この別荘、すげえセキュリティーだな。あちこちから監視されている気がするぜ」(第3話より抜粋)


被害者対エンマ、閻魔堂沙羅シリーズの2冊目です。

1冊目は基本的にパターンに則した展開でしたが、本書はそのパターンを上手く破って意外性を出しています。身勝手な人物や傲慢とも思える人物が登場し、読んでいてあまり気分の良いものではありませんけど、真相や結末は説得力があると感じました。毎回こうした人物では疲れてしまいますので、ときどきが良いですね。

第1話は珍しく推理がほとんど当たってこれならば3つとも真相が見破れるかなと思っていたのですが、あとの2つは難しく半分も分かりませんでした。特に第3話。あれを解くには相当推理力がないと無理でしょう。



[ 2019/02/05 21:19 ] 小説 | TB(0) | CM(0)