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2019年10月23日(水)

ストーカーズ 1 



著者:ハナツカシオリ
発売日: 2018/12/22

評価〔B〕 するのもされるのもゴメンです。
キーワード:ストーカー、恋愛、連作短編風、

私は佐伯くんのことをなんでも知っている。(第1話前編より抜粋)


何やら不穏な題名ですが、重く怖い恋愛劇ではなく軽めのラブコメの連作短編集風です。同じ人物がずっと登場するのではなく、いくつかの物語が並行して進んでいきます。一人ではないのでストーカーズ。

基本的に遠くから見ているだけだったりネットで調べたりしているだけなので、微笑ましいといえば微笑ましいです。恋する女の子があの人はかっこいいなあーと想うのは普通の恋愛漫画のようです。しかしそこはストーカー、ポストやゴミを調べている場面になると一気に危険なかおりがします。内容紹介文の「ちょっと怖くて、ちょっと面白い、純愛サスペンス」は巧いですね。

面白いですがストーカー行為を笑えるかが評価の分かれ目です。実際に被害にあった人や周囲の人が被害にあったことがある人は素直に楽しめなさそうです。明るく軽めに書いていますが違法ですし。創作と割り切って読むことができるなら、珍しいラブコメとして楽しめると思います。

すぐアイデアに詰まりそうな題材ですが、明るく楽しく描いてほしいです。



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[ 2019/10/23 21:04 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2019年09月02日(月)

夫婦という病 



著者:岡田尊司
発売日: 2018/3/3

評価〔A〕 既婚者だったらSです。
キーワード:夫婦、結婚、出産、離婚、恋愛、

そこで一番変わった点は、互いの非に目を向けるのではなく、互いの失敗に対して優しさや寛容さを取り戻したことだ。(第十五章より抜粋)


夫婦やパートナーとの関係をより良くかつ安定したものにするために、精神科医である著者が21のケースを通して解決策を模索します。

前半は夫婦が上手くいかなくなっていく様を何回も見るので疲れてきます。お互いにもう少し思いやることができたならと思うのですが、感情的になってしまうのも良く分かります。様々なパターンが挙げられているのでどれかに当てはまる夫婦も多いのではないでしょうか。

基本的には対人関係を支える愛着に注目し、安定―不安定と回避―不安の軸で男女を分類して特性を掴み問題の解決をはかっています。愛着スタイルを踏まえた上で原因と対策を説明しているので、分かりやすく頭にすんなり入ってきます。

後半は一度は不安定になった関係が持ち直した例が描かれています。我慢以外の解決策が提示されているので、どれか一つは実践できそうな方法が見つかるかもしれません。

読んでいるうちに現在の夫婦制度は現代人の価値観に合っているのだろうか、合ってない人もいそうだな、と思い始めましたが、終盤では結婚という形にこだわらない関係や生き方について述べられていて興味深かったです。一夫一婦制ばかり考えが囚われていましたが、違う可能性を示しているのが良かったです。現代の倫理観とは離れていて驚きましたけど。一夫一婦制に向いている人ばかりじゃないからね。

個人的に価値観が合わない対策や関係もありますが、夫婦やパートナーとの良い関係を保ちたいもしくは改善したいと思っているなら一読の価値はあると感じています。これから親密になる二人にも役に立つでしょう。

巻末の科学者の方の解説も良かったです。


[ 2019/09/02 21:59 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2019年05月22日(水)

アスペル・カノジョ 1 



著者:萩本創八、 森田蓮次
発売日: 2018/7/11

評価〔A〕 なんか圧倒的でした。
キーワード:アスペルガー、人間関係、

彼女の眼球に捕まると意識がフワッとする。(本文より抜粋)


表紙を見た感じでは少し変わった形の恋愛ものと言う印象でしたけれど、読んでみたら軽いラブコメなんかではなく何か凄いものを読んでしまったという気持ちになりました。

題名から分かるようにアスペルガー症候群の人を描いた物語です。世界を揺るがすような大事件もなければ超能力もありません。現代の若者たちの日常を描写しているだけなので、見た目に派手な場面もありません。しかし、アスペルガー症候群の少女・斉藤の言動が、ただただ突出しています。彼女が魅力的とか面白いとかではなく、その存在感に引き寄せられてしまうのです。こんなに極端な行動をとる人がいるのかなと戸惑っていたのですが、どこか整合性が取れていていかにも実在しそうな様子に惹きつけられました。他の書評の言葉を借りると『あまりにも生々しい』のです。

アスペルガー症候群は知識としてはある程度は知っていました。相手の言葉を鵜呑みにしてしまい、人間関係が苦手な人々。本書はそんな半端な理解とぼんやりした印象を吹き飛ばしてくれます。私はアスペルガーの人に会ったことがないのですが、実際に会ったらどのような心情になるのか分かるような気がするくらい彼らを的確に表現していると思います。彼ら彼女らがこの本を読んだらどのような感想を持つのでしょうか。興味があります。

斉藤と正しく理解し意思疎通できているもう一人の主役・横井は凄いです。彼のような良き理解者がいれば、彼女のような人たちも生きやすくなるのにね。アスペルガーの描写が圧倒的でしたので、読み終わってから恋愛ものでもあることを思い出しました。次の巻からは恋愛らしくなるのかな。



[ 2019/05/22 20:40 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2019年04月11日(木)

山田秀樹短編集 とある女子大生の日常にみる 



著者:山田 秀樹
発売日: 2009/10/24

評価〔C〕 ギャグが激しいです。
キーワード:ギャグ、短編集、

「ねぇ久美ちゃん、たまにはこういうのどう?」(本文より抜粋)


4つの物語からなる短編集ですが、表題作のみ6つの連作短編集という変則短編集です。全部で6編。

ギャグの勢いが凄いです。スラップスティックそのものといったところ。特に最初のブルマのあれはなんだか圧倒されました。笑えるのかと言われると、私はあまり合わなかったような・・・・・・。ギャグ一辺倒で1冊終わるのかと思っていたら、最後の2編はガラッと雰囲気を変えて恋愛ものです。最後まで読むと感想や評価に迷う1冊だと分かりました。

うーん、どちらかというと後者のほうが印象に残ったかな。ギャグと恋愛どちらが上手かったかは別として。また、著者は表題作の6話目が漫画っぽくなったと評していますが、絵柄だけで言えば3話や4話あたりのほうが好みでした。



[ 2019/04/11 21:03 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2019年02月11日(月)

三日間の幸福 



著者:三秋縋
発売日: 2013/12/25

評価〔B+〕 あそこで終わるのか。
キーワード:青春、恋愛、現代、

「寿命を売る気はねえか?」(本文より抜粋)


人生に悲観して寿命を売ってしまった若者・クスノキが、監視員ミヤギに見張られつつ残りの人生を過ごす現代のファンタジーです。SFよりはファンタジーのほうが似合っています。ウェブで大人気となり出版されたようです。

読むとすぐ分かりますが、暗くてシリアスで明るい要素は見当たりません。明るい物語が好みの人は途中で読むのを止めてしまいそうなくらい暗然たるものがあります。しかし、ただ重苦しいだけは終わらないのでご安心ください。

結末はAmazonの書評を見るに好評ですが、賛否両論あるんじゃないのかな。なんかこうこれで良いのか、良いのかもしれないけど、みたいな気持ちになりました。終盤が急展開だったのも少々残念。個人的には終盤をじっくり心理描写も交えて見せてくれたら、もっと良かったのになあと思います。



[ 2019/02/11 17:12 ] 小説 | TB(0) | CM(0)