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2016年09月20日(火)

「超」集中法 成功するのは2割を制する人 



著者:野口 悠紀雄
発売日: 2015/9/17

評価〔C〕 その2割を見つけるのが難しい。
キーワード:実用、勉強、仕事、

世の中では、「重要なのは2割程度であり、それで全体の8割程度の効果が得られる」場合が多いのです。(本文より抜粋)


学校の勉強でも職場の仕事でも、本当に大切な部分は全体の2割ぐらいで、その部分に力を入れれば全体の8割くらい把握するのと同じことである、というのが著者の主張する法則です。どこかで見聞きした「2:8の法則」と同じですが、これがいかに日常生活に当てはまるのか、そしてどうすれば効率よく物事を進められるのかについて検討しています。

何事も一様ではないことは経験から知っていますが、問題はどこか重要なのか知ること、発見することです。それについては本書でも述べられていますが、その核心部分(コア)の見つけ方が『能力のある人から教えてもらう又は見て盗む』で、あまり参考にならなかったのが残念です。もう少し具体的な方法が欲しかったです。難しいとは思いますが。

また、終盤で残り8割の部分は無視できないとしながら、しかしやはり2割が重要であるとも強調していて、少々混乱しました。このような書き方ですと、結局どちらが大切なのかよく分からなくなってしまいそうです。

一方、書類整理やべき乗分布のくだりは興味深かったです。特に前者の使う頻度の高いものを揃える手法は、物が多い場合は有効かもしれませんね。私も本棚で似たようなことをしています。こうした良い点もありましたが、全体的には良くなかった点が目立ってしまいました。



[ 2016/09/20 20:45 ] 実用 | TB(0) | CM(0)

2016年08月30日(火)

一目惚れの科学 



著者:森川 友義
発売日: 2012/12/26

評価〔A-〕 人間はモテるために生きている?
キーワード:恋愛、性、五感、

五感は自分にもっともふさわしい異性を見つけ出し、求愛し、求愛され、性行為をするための道具としても発達しました。(第1章より抜粋)


恋愛感情はどのように発生するのか、人はどのような点に異性に惹かれるのかを、科学的に解明する恋愛の入門書です。恋愛の本ではありますが個人の体験談は皆無で、研究の結果から分かってきたことを紹介しています。

驚いたのは、『恋愛感情は五感を通して子孫を残すべき異性だと無意識に認めた場合に発生するもの』と主張している点です。心だけで発生するものではないと感じていましたが、意識的なものになる以前に全て決定していたみたいで、自分のことなのに自分で選んでいないみたいでとまどいます。それに加えて、『人間の行為は、お金儲けであれ芸術であれスポーツであれ異性にモテるためのもの』とも言っています。こちらのほうが衝撃的です。最初はそんなはずはないと反発しましたが、恥ずかしい気持ちを別にして実利のみで考えると、違和感は残りますがこのような行動原理も一理あるかもしれませんね。

五感それぞれと恋愛について詳しく書かれていますが、印象に残ったのは嗅覚です。場合によっては視覚と同じくらい重要で、相手のにおいが好きかどうかも、生命力の強い子を産めるかどうか関係しているのが驚きです。また、視覚的に左右対称な顔が魅力的で優良な遺伝子を持つこと、ユーモア豊かな男性はモテるけれど女性はモテないことなど、多岐にわたって書かれていて興味深いです。

いくつかの章の終わりに補足として書かれたQ&Aが、まるで人生相談のようです。恋愛に関する質問だけど、合理性を重視してズバズバ答えるのが学者らしくて良いです。特に、煙草を吸う彼氏を持つ女性に対する回答がキビシイ。

題名が一目惚れですが、正しくは恋愛感情の科学だと思います。極端に感じる論もありましたが面白かったです。しかし、現代は女性の経済力も向上していますし、体外受精の技術も確立していますので、男性と女性の求めるものが変わってくるかもしれませんね。例えば、お金持ちの女性は、男性の経済力よりも健康を重視して選ぶこともあるでしょう。社会の変化とともに恋愛も大きく変化していきそうなので、今後の研究に注目です。





[ 2016/08/30 22:24 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2016年08月27日(土)

「なるほど!」とわかる マンガはじめての嘘の心理学  



著者:ゆうきゆう
発売日: 2015/12/16

評価〔C+〕 心理学の最初の一冊に。
キーワード:心理学、嘘、入門書、

嘘には4種類に分類されます。人は、状況に応じてこれらの嘘を使い分けています。(Part 1より抜粋)


嘘は事実を曲げて違うことを伝えることですが、見栄やお世辞を含め、色々なタイプのものがあります。悪い嘘に騙されないようにするために、また人間関係を円滑にするために嘘を活用するには知識が必要です。本書は、それらをマンガと文章で丁寧に説明しています。

「はじめての」とあるように、心理学の入門書で誰でも気軽に読めます。漫画は導入の部分だけですので、漫画よりも文字と図のほうがやや多めです。しかし、分かりやすく書かれているので心配ありません。身近にある嘘について説明しているので、実感できることも多いのではないでしょうか。嘘の見抜き方は単なる雑学で終わらず、実用的だと思います。

幅広く事例を取り上げていますが、入門書の中でもやさしいほうなので、他の心理学の本を読んだことのある人にはやや物足りない内容だと感じました。私も既知のものが結構ありました。分かりやすいのはいいのですが、この点は少々残念でした。

いくつか簡単な心理テストがついているのも楽しいです。心理学の本を読んだことがなく、試しに何か読んでみようかなと考えている人に良さそうな一冊です。



[ 2016/08/27 18:33 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2016年08月14日(日)

人間は脳で食べている 



著者:伏木 亨
発売日: 2005/12

評価〔B-〕 「美味しい」を分解して考察しています。
キーワード:食事、食生活、文化、脳、情報、おいしさ、

なぜ人間は情報のおいしさに頼ろうとするのか。口や舌の感覚よりも情報が気になるのはなぜか。ひとことで言うと、食の安全対策である。(本文より抜粋)


美味しいものが食べたいのは、いつの時代もどの国でも共通の欲求だと思います。中には、食事は本来必要なエネルギーを得るために取るものなのに、美味しい食べ物の虜となり、食べること自体が目的となってしまった人たち――美食家、グルメな人もいます。しかし、そもそも美味しいとは一体どういうことでしょうか。この根本的ですが複雑な疑問を、本書は分かりやすく解説しています。

栄養素はもちろん、文化・体内の生理メカニズム・情報など、内容は多岐にわたります。その中で最も現代的で重要なものは情報で、安全や権威が関与していると説いていて興味深かったです。それと、「匂いの判断は味よりもかなり正確」なのは、意外でした。確かに食べる前に分かったほうが安全ですからね。また、現代人の食生活についても触れていて、どちらかというとそちらのほうが豆知識っぽくて面白かったです。食の好き嫌いの説明は説得力がありました。

ところどころ読者を代表するかのような発言を挟み込んで、会話のようなやりとりで説明しているのが特徴です。慣れるまで違和感がありましたが、慣れてしまえばこれはこれで良いかなと思いました。個人的には、対話方式で書かれていたほうが、より分かりやすいので好みです。

食事や食生活に関してぼんやり思っていたことが、やはりそうだったと再確認できました。あっと驚くようなことはありませんでしたが、複合的な感覚・現象を調べる難しさも分かりました。簡単そうにみえる題材ほど研究は難しいようです。




[ 2016/08/14 21:17 ] 実用 | TB(0) | CM(0)

2016年08月05日(金)

言ってはいけない 残酷すぎる真実 



著者:橘 玲
発売日: 2016/4/15

評価〔A-〕 残念ながら平等ではありません。
キーワード:社会学、遺伝学、先天的、進化、

結論だけを先にいうならば、論理的推論能力の遺伝率は68%、一般知能の遺伝率は77%だ。これは、知能のちがいの7~8割は遺伝で説明できることを示している。(1章より抜粋)


あまり認めたくないような格差や真実を、進化論や遺伝学の研究結果から明らかにしていきます。様々な社会問題を挙げているのかと思ったのですが、各個人の人生に影響を与える身近な話題ばかりで、主に生得的能力・才能、容姿、教育について論じています。

生まれ持ったものの影響が想像以上に大きい、というのが大まかな主旨です。誰しも少しは考えたことがありそうな、しかし口に出すと差別だと思われそうな内容が書かれています。確かに残酷ではありますが、覚悟していたよりも意外ではありませんでした。差別だと非難されることを恐れずに真実を伝えようとする姿勢は、見習うべきものがあります。

一番意外だったのは、子育て・教育の子供の成長に対する影響力です。子育てを経験した親ならば、感覚的に知っているものなのでしょうか。遺伝、子育てに次ぐ第3の要素は新鮮でした。著者の主張に全面的に賛成というわけではありませんけど、確かに一理あると思います。

他にも、ユダヤ人の知能の秘密や、安静時心拍数と犯罪の関係、外見から攻撃性を推測する方法、容姿の美醜の金銭的価値などについて触れていて、極端な意見のようにも感じる時がありましたけど面白かったです。

根拠となる文献が明記されているのは良いのですが、書いてあるだけで文献自体に対する意見は書かれていません。内容の精査はしているのでしょうか。そうした疑問があったためか、根拠があるにも関わらず、文章に重みが感じられないときがありました。また、ほとんどが事実を断言して終わってしまうので、格差の対策案や希望の持てる提案が見られなかったのが残念です。

賛否両論になるのも分かります。読んでいて不愉快になるかもしれませんが、知っていたほうがいいのかもしれませんね。差別的にならないよう注意が必要ですが。内容を鵜呑みにせず、何か失敗した時に都合の良い言い訳に使わないようにしたいです。



[ 2016/08/05 21:58 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)