2016年03月24日(木)

浄土真宗の信心がこんなにわかりやすいわけがない 



著者:石田 智秀
発売日: 2015/11/24

評価〔B-〕 信じる心、ではありません。
キーワード:宗教、仏教、浄土真宗、信心、

「これだけわかりにくい信心をわかる日が、いつか来るのだろうか・・・・・・?」(本文より抜粋)


お寺に生まれなのに信心がよく分からなかった著者の体験談です。信心って信じる心、つまりは信仰心のことだと解釈していたのですが、少なくとも浄土真宗では違うそうです。では信じる心でなるとすると何なのか。その1点に絞った本です。

子どもの頃から疑問に思い、仏教系大学にも通って着実に歩みを進めても、肝心なところで確信が得られないのはなかなか辛いと思います。しかし、妥協せず分かったふりをせず、真摯に求めたからこそ答えに辿りついたのでしょう。疑問、悩み、救済と、なんとも宗教らしいお話です。謙虚に書いていますが、布教使という伝える立場になれたのですから、かなり真面目に修行したのではないでしょうか。

本書の題名を見て、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』を連想した方は、多分それで間違っていないと思います。著者はオタクだそうで、各段落の見出しがアニメやラノベ、ゲームのパロディになっています。あとがきで「攻めている」と表していますが、若い読者にも気軽に読んでほしいという配慮だと思います。おそらく。・・・・・・単に趣味かも。

短いのでお手軽に読めます。え、違うの?と思った方は試しに読んでみてはいかがでしょうか。




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[ 2016/03/24 22:22 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2015年09月09日(水)

しない生活 



著者:小池 龍之介
発売日: 2014/3/28

評価〔B-〕 仏教と人生論。
キーワード:仏教、宗教、人生論、自己啓発、実用、

私たちの会話の多くは、こうやって相手の会話を遮ってしまうせいで、寂しくすれ違っています。相手を理解しようとせず、自分を理解させようとしてばかりであるがゆえに、です。(P89より抜粋)


現役の住職が現代人の生き方について、仏教の教えを基に助言をします。著者は他にも多数の著書がある人気のある方のようです。

まず、一項目2ページなので読みやすいです。宗教ときくと何やら難しいと思う方もいるかもしれませんが、日常のよくある光景から、いかに煩悩に惑わされずに生きるかを説いています。

全体的に、頭にきたりいらいらするのは自己顕示欲・自己防衛によるもので、心の平穏を保つには内省する心がけを忘れないこと・・・・・・とあります。でも、言うは易く行うは難し。感情に説明をつければそうなるのは分かりますが、実際に感情的になりそうな場面でそのように振る舞うのは難しそうです。特に「謝るときはよけいな言い訳をしない」「誉められても喜ばない」などはそう思います。

著者は実践できているのかと言えば、実はそうでもなく、自身の失敗を隠さずに述べています。厳しいだけでなく、こうした姿勢は好感が持てます。こうした内省によって平穏を得るのは簡単なことではありませんが、そうできたらいいなと感じた本でした。




[ 2015/09/09 20:19 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2015年02月01日(日)

慟哭 (創元推理文庫) 

慟哭 (創元推理文庫)慟哭 (創元推理文庫)
著者:貫井 徳郎
出版社:東京創元社
出版日:1999/03

評価〔C+〕 面白くなくはないけど・・・・・・。
キーワード:警察、新興宗教、誘拐事件、

「ただ、あなたを見れば、誰でもわかることです。あなたが救いを求めて、この教団にいらしたことも。」(P148より抜粋)


誘拐事件と新興宗教の様子を並行して描いた推理小説です。1999年初版と古めの小説ですが、ネットで推薦している人が何人かいたので読んでみました。

中盤まで派手な展開はないものの、警察内部の対立と捜査の様子は現実味がありますし、ある人物が新興宗教に興味を持つ過程も興味深いです。地味ではありますが、地に足のついたという表現が合う文章だと思います。内容も構成も、そして終盤明かされる驚くべき真相も質が高いと感じました。

しかし、面白いの?と問われたら、かなり困ります。つまらなくはないけれど、面白いとも言い難い。面白くなくもない。そんな感じです。質が低くなく盛り上がるシーンもあるのに、なぜなのでしょう。テーマが重いので爽快感がないせいか、読後感があまり良くないためか・・・・・・。読んでいるうちにトリックが半分くらい分かってしまったから、じゃないよね。

組織や家族など色々考えさせられる人間ドラマの面が強いので、そうした味のある推理小説をお望みの方にはお薦めできます。娯楽作品としては、うーん、笑いや心温まるものが読みたい人にはおそらく不向きです。



ちょっとだけネタばれ話↓
[ 2015/02/01 21:59 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2013年09月14日(土)

イラン人は面白すぎる! 

イラン人は面白すぎる! (光文社新書)イラン人は面白すぎる! (光文社新書)
著者:エマミ・シュン・サラミ
出版:光文社
発行:2012/04/17

評価〔A〕 これぞ生のイラン。
キーワード:イラン、イスラム教、アラブ、ペルシャ

バスや電車などの交通機関が時間通りに到着することはあまりない。平気で一時間以上遅れるのだが、そんなとき運転手はそろって「アラーの導きによって遅れてしまったのだ」と、遅刻の言い訳にしてしまう。(本文より抜粋)


中東やイスラム教に関する報道は、戦争や内戦など良くないイメージのものが多いです。本書の題材であるイランも核兵器問題で取り上げられますが、そこに住む人々がどのような生活をしているのかはほとんど伝わってきません。イラン生まれ日本在住のお笑い芸人である著者が、日本人に定着してしまった誤解や偏見を少しでもなくしたいと思い書いたイラン及びイスラム文化の紹介本です。

文化や宗教の紹介と書くとお堅い文章を想像してしまいますが、本書はユーモアと笑いがあります。イスラム教徒は教義に厳格そうですがさぼってお祈りしない人がいたり、遅刻をアラーのせいにする人などがいて面白いです。また、身なりに気をつかう乞食たちや、外では顔をチャドルで隠すにも関わらずオシャレする女性たちも興味深いです。

かたい肩書の人では書くのを躊躇ってしまうことも平気で書いてあるのが、面白いし強みでもあると思います。数字や理念でなく、口語で体験談を交えている点が良いです。現実味があります。

もちろん近所のおじさんが、みたいな軽い話ばかりではなく、貧富の差、男尊女卑の文化、恋愛、そしてアラブ諸国との関係と、真面目で避けることのできない話題もきちんと語られています。恋愛や刑罰の違いは日本とだいぶ異なり、そこは大きな隔たりを感じました。しかし、こうして分かりやすく難しくせず、読者の興味をひきつつ異文化を紹介できるのは素晴らしいと思います。イランやイスラム文化に怖いイメージしかない人ほど読んでほしい本です。




[ 2013/09/14 22:28 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2013年07月31日(水)

100文字でわかる 世界の宗教 

100文字でわかる 世界の宗教 (ベスト新書)100文字でわかる 世界の宗教 (ベスト新書)
著者:一条 真也
出版:ベストセラーズ
発行:2006/12/06

評価〔B+〕 宗教の簡易版イミダス
キーワード:宗教、三大宗教、要約、

世界中の宗教について「これ以上は無理」というところまで、徹底的にわかりやすく解説しました。(まえがきより抜粋)


宗教用語を簡潔に説明している宗教入門書です。著者は学者ではなく冠婚葬祭会社の経営者で、日頃から宗教と深くかかわっているようです。学者以外でもこういう仕事をしていると詳しくなるのですね。なんか感心してしまいました。

三大宗教、ユダヤ教、ヒンドゥー教を主に扱っています。まずよく聞くが詳しくは知らない言葉を100文字で解説し、隣のページに補足説明があります。取り上げられている単語は、旧約聖書、カトリック、シーア派、密教と顕教、などです。本書の題名どおり100文字だけ読んでも大まかには分かりますが、興味があれば補足も読んだほうがためになります。雑学を学んでいるみたいで面白いです。

難しい概念はやはり文字数が足りないためか、分かりづらいのが残念です。それと、本書はあくまで宗教についてほとんど知らない分からない人向けなので、興味を持ちもっと知りたくなったら、自分で他の本をあたるなり詳しい人に聞くなりすべきでしょう。ある程度知っている方には既知のことばかりだと思います。

まえがきで触れていますが、国際人、国際ニュースをよく見たり外国の人と頻繁に交流する人にとって、特に役に立つでしょう。手軽に読めて、簡易辞典のようにパラパラ調べることができるので、今後もちょこちょこお世話になるかもしれませんね。




[ 2013/07/31 21:35 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)