2017年07月21日(金)

ねじの人々 3 (完) (再読) 



著者:若木 民喜
発売日: 2017/2/17

評価〔B+〕 最終回がきれい。
キーワード:哲学、人生、

考えるって何だろう。答えって一体何だ?(本文より抜粋)


劇中で物語について語っているのが興味深いです。その延長線上として、創作物のヒロイン問題へと展開していくのですが、分かりやすい簡単な出発点から、きちんと哲学の抽象概念に繋がっていくのは面白いですね。

難しい主題ですが、著者なりの結論を示していて良かったです。本書の帯では、めちゃくちゃ難しいと正直に述べ、ごめんなさいと謝罪していますけど、こうした漫画が読めて面白く興味深かったです。めんどくさいけれど考えてしまう。読み終わっても何度も読み返しています。

何年か経って著者の価値観に変化があったら、また哲学漫画を描いてほしいと思います。



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[ 2017/07/21 23:20 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2017年07月21日(金)

ねじの人々 2 (再読) 



著者:若木 民喜
発売日: 2016/7/15

評価〔A-〕 話題が身近になったかな。
キーワード:哲学、人生、

「これぞ純粋理性恋愛というものね」(本文より抜粋)


裏表紙の「時にゆるゆる、時にキレキレ」が的を射た表現だと思います。けれども、これだけだとよく分からないよね。

多数決や奴隷道徳は、分かりやすい例を使って説明していて見せ方が上手いです。つまらなくなりそうな硬い題材を、娯楽として面白く見せるのはさすがです。このあたりが教育漫画とは違うところです。

万子の言動を見ていると、自分も似たような返事をしそうだなと共感を覚えます。しかし、客観的に見たら、やはり面倒くさい相手と思われているのかもしれませんね。簡単には納得できないのです。

あまり硬くなく身近な話題を上手く取り入れていて、1巻より受け入れられやすい内容でした。



[ 2017/07/21 23:19 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2017年06月17日(土)

ねじの人々 1 (再読) 



著者:若木 民喜
発売日: 2015/10/16

評価〔B+〕 まさかの哲学漫画です。
キーワード:哲学、人生、

「君の『自分がなぜここにいるのか?』という疑問。それに答えはあると思うかい?」(本文より抜粋)


初めて見た時、まさか哲学の漫画が出るとは・・・・・・と、驚くとともに嬉しかったのを覚えています。マンガワンで連載していた時に全て読んだのですが、手元に置いておきたかったので購入しました。

主人公の根地(ねじ)が自分の存在や真理に関して疑問を持ち、周囲の人とともに答えを考えていくスタイルです。哲学の入門書によくある誰かの理論を一つずつ紹介していくのではなく、哲学者たちの考えを参考にしながら納得できる答えを探していきます。

本の帯に、著者は京都大学哲学専修を卒業と書かれてあり、全くの素人ではなく知識のある方のようです。時々さらりと専門用語が出てくるのはそのためでしょう。しかし、漫画としての面白さももちろんあるので、専門書よりはずっと読みやすいです。

内容が内容だけに、気に入る人とつまんないと言う人にはっきり分かれそうです。存在とは何か?なんて思索するのが好きな方にはお勧めですので、ぜひ読んでもらいたいですね。



[ 2017/06/17 18:36 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2014年07月13日(日)

偶然のチカラ 

偶然のチカラ (集英社新書 412C)偶然のチカラ (集英社新書 412C)
著者:植島 啓司
出版社:集英社
出版日:2007/10/17

評価〔B+〕 偶然と必然から人生を考えます。
キーワード:偶然、哲学、処世術

自分の力だけでうまくいくことなど、この世にそうたくさんはありません。そんなときにこそ、偶然か必然かという根源的な問いかけが生まれるのです。(本文より抜粋)


人生において、偶然(運)なのか必然(運命)なのか分からない出来事はたくさんあります。偶然を題材にした書籍は、たいてい幸運をつかむ方法が書かれていますが、本書は偶然の仕組みから始めて、占いや確率論の枠を超えてどのように物事に対処するのが良いのか説いたものです。

偶然という分かっているようで分からないものを理解しようと試みているためか、あちこちに話が飛んで、ややまとまりに欠けると思います。しかし、科学なら確率論だけ、占いならひたすら霊的なもののみで解説していくのではなく、ギャンブラーや歴史書の逸話、そして宗教の思想をも取り上げて論じているのが新鮮でした。

いくつか処世術が書かれているのですが、「自分で選択しないように心がける」が印象に残りました。自分の力で運命を切り開く!みたいな自己啓発本が多い中、この考え方は興味深いです。他の本と同じような結論のところもありましたが、説得力があり、かつ押しつけがましくないのが本書の特徴かもしれません。

重要な文は大きめで太めの書体が使われています。最初読んだ時は強調し過ぎて読みづらいなあと思ったのですが、今、こうして見返すぶんにはどこが主張したい部分かすぐ分かり良いですね。




[ 2014/07/13 18:06 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2014年06月23日(月)

時間はどこで生まれるのか 

時間はどこで生まれるのか (集英社新書)時間はどこで生まれるのか (集英社新書)
著者:橋元 淳一郎
出版社:集英社
出版日:2006/12

評価〔B+〕 哲学とは違った方向から考える。
キーワード:時間、物理学、ミクロ、マクロ、物理量

さて、温度はミクロの世界では存在しないものであるが、時間はどうであろうか?(第一章より抜粋)


時間とは何かを解明するのは、意識や心を説明するのと同じくらい至難だと思います。分かっているようで、説明しようとすると難しい。従来の時間論は、哲学者は哲学のみ、科学者は物理現象のみ考察したものばかりでしたが、本書は現代物理学を踏まえたうえで人間が普段感じている時間の流れについて解き明かそうと試みます。

絶対時間・絶対空間の枠を超え、相対論と量子論を取り入れています。物理量から始まりエントロピーまで説明するので、内容の半分以上は物理学の解説で占められています。長いですが知らないことが多々あって勉強になりました。特に、ミクロとマクロに分けて考えている点が興味深いです。某アニメで出てくる世界線という言葉が物理学にあることや、某ゲームで時間軸が傾くとあったのですがそれが現実にも起こることに驚きました。時空間が実数と虚数で表現できること、相対論による空間軸の傾き、ミクロ世界での因果律の崩壊も面白いです。

ただ、主旨だけ簡単に書いてあるにも関わらず内容が難しく、きちんと理解できなかったところもあり残念です。そういったところは他の物理の入門書を当たるのがよさそうです。ある程度物理を習ったことがある方なら大丈夫かもしれませんが、光子も時空間もエントロピーも何も知らない方は、読む前に相対論や量子論の易しめの入門書読むと理解の助けになりそうです。時間は哲学の領域だから、物理なんて知らなくてもいいと思っていると完読するのは難しそうです。

物理の説明に比べると、肝心の結論が短くあっさりと書かれています。斬新な答えを期待していただけに、やや物足りなさを感じましたが、納得できる部分もありました。題名にあるように、「どこで」に焦点を当てて書かれた本でした。




[ 2014/06/23 21:26 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)