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2019年04月06日(土)

考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門 



著者:梶谷 真司
発売日: 2018/9/27

評価〔A-〕 考えること自体が目的です。
キーワード:哲学、対話、考える、自由、

私たちは「問う」ことではじめて「考える」ことを開始する。思考は疑問によって動き出すのだ。(第一章より抜粋)


哲学の本はたいてい有名な理論や概念を紹介していますが、本書はそれらの難解な専門用語や研究者は一切出てきません。では何が書かれてるのかというと、哲学は専門家だけのものでなく、誰にとっても楽しくかつ必須であることの説明です。興味がある人にむけてではなく、興味がない人こそが対象の参加型哲学の入門書です。

哲学的思考を知る取り組みとして、「哲学対話」が挙げられています。10人ほどの集団で自由に話をするのですが、ただのお喋りとは一味違います。人の意見を否定しないのは良いとして、結論を出さなくて良い点や分からなくても良い点が斬新です。第一印象はアイディアを出すブレインストーミングに似ていると思いましたが、詳細を読んでいくとそれとは違う独特のものだと分かりました。

気になった箇所をいくつか。年齢も立場も違う人たちが、果たして自由に発言できるのでしょうか。生徒が先生に、部下が上司にまったく気兼ねなく自由に発言できるのか疑問です。また、第二章で自由を妨げるのが他者なら自由にしてくれるのも他者であると解いていますが、何度読んでもピンときません。共感する喜びとは違うのでしょうか。もう少し詳しく解説してほしかったです。

第二章の2に『考えることで自由になれる。そして共に考えることで共に自由になれる』のが哲学の意義としています。参加者の感想が肯定的なものが多いみたいなので、機会があれば見学して参加してみたいです。

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[ 2019/04/06 21:19 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2018年04月07日(土)

哲学の練習問題 (河出文庫) 



著者:西 研
発売日: 2012/11/3

評価〔A〕 考えることは簡単なようで難しいです。
キーワード:哲学、本質、人生、社会、

人は意外なほど、ほんとうは自分は「何が」気になっているのか、をわかっていないもの。そこを見つめようとする勇気と、つきつめて根っこからわかろうとする意志から「考えること」ははじまる。(プロローグより抜粋)


教科書のような題名ですが、あまり専門用語を使わず素人でも読めます。しかし、分かると思って読んでいると、いつの間にか難しい問題へと突入しているので油断なりません。抽象的な概念が数多く登場します。

四章でも言及されていますが、唯一の真理や美はなく、本書を読めばてっとり早く全て分かるという訳でもありません。むしろ上記の引用のとおり、深く突き詰めて考えることの大切さを痛感するばかりです。生き方や人との関係の本質についてそれぞれ考えるきっかけを与えてくれる内容で、練習問題という題名がぴったりです。

ネットで時々見かける宇宙の果てはどうなっているの問題が取り上げられていて、それに対する解答(もしくは証明)が非常に面白かったです。宇宙を考えているのに、いつのまにか人間について考えているのが奇妙な感じです。また、異文化交流は違うから面白いのではなく、違いの中に共通性を見出すことが理解に繋がると書かれていて印象深かったです。まるっきり違う文化には本当に違和感しか覚えないのでしょうか。興味深いです。

各章の終わりには参考文献(推薦図書?)が挙げられていますので、気になった主題はさらに追いかけてみるのも楽しいかもしれません。こうした記述は読者の視野を広げる一助となるので、どんどん書いて欲しいです。




[ 2018/04/07 21:43 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2017年07月21日(金)

ねじの人々 3 (完) (再読) 



著者:若木 民喜
発売日: 2017/2/17

評価〔B+〕 最終回がきれい。
キーワード:哲学、人生、

考えるって何だろう。答えって一体何だ?(本文より抜粋)


劇中で物語について語っているのが興味深いです。その延長線上として、創作物のヒロイン問題へと展開していくのですが、分かりやすい簡単な出発点から、きちんと哲学の抽象概念に繋がっていくのは面白いですね。

難しい主題ですが、著者なりの結論を示していて良かったです。本書の帯では、めちゃくちゃ難しいと正直に述べ、ごめんなさいと謝罪していますけど、こうした漫画が読めて面白く興味深かったです。めんどくさいけれど考えてしまう。読み終わっても何度も読み返しています。

何年か経って著者の価値観に変化があったら、また哲学漫画を描いてほしいと思います。



[ 2017/07/21 23:20 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2017年07月21日(金)

ねじの人々 2 (再読) 



著者:若木 民喜
発売日: 2016/7/15

評価〔A-〕 話題が身近になったかな。
キーワード:哲学、人生、

「これぞ純粋理性恋愛というものね」(本文より抜粋)


裏表紙の「時にゆるゆる、時にキレキレ」が的を射た表現だと思います。けれども、これだけだとよく分からないよね。

多数決や奴隷道徳は、分かりやすい例を使って説明していて見せ方が上手いです。つまらなくなりそうな硬い題材を、娯楽として面白く見せるのはさすがです。このあたりが教育漫画とは違うところです。

万子の言動を見ていると、自分も似たような返事をしそうだなと共感を覚えます。しかし、客観的に見たら、やはり面倒くさい相手と思われているのかもしれませんね。簡単には納得できないのです。

あまり硬くなく身近な話題を上手く取り入れていて、1巻より受け入れられやすい内容でした。



[ 2017/07/21 23:19 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2017年06月17日(土)

ねじの人々 1 (再読) 



著者:若木 民喜
発売日: 2015/10/16

評価〔B+〕 まさかの哲学漫画です。
キーワード:哲学、人生、

「君の『自分がなぜここにいるのか?』という疑問。それに答えはあると思うかい?」(本文より抜粋)


初めて見た時、まさか哲学の漫画が出るとは・・・・・・と、驚くとともに嬉しかったのを覚えています。マンガワンで連載していた時に全て読んだのですが、手元に置いておきたかったので購入しました。

主人公の根地(ねじ)が自分の存在や真理に関して疑問を持ち、周囲の人とともに答えを考えていくスタイルです。哲学の入門書によくある誰かの理論を一つずつ紹介していくのではなく、哲学者たちの考えを参考にしながら納得できる答えを探していきます。

本の帯に、著者は京都大学哲学専修を卒業と書かれてあり、全くの素人ではなく知識のある方のようです。時々さらりと専門用語が出てくるのはそのためでしょう。しかし、漫画としての面白さももちろんあるので、専門書よりはずっと読みやすいです。

内容が内容だけに、気に入る人とつまんないと言う人にはっきり分かれそうです。存在とは何か?なんて思索するのが好きな方にはお勧めですので、ぜひ読んでもらいたいですね。



[ 2017/06/17 18:36 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)