2016年01月27日(水)

図解 ギリシア神話 歴史がおもしろいシリーズ 



著者:松村 一男
発売日: 2011/1/10

評価〔B-〕 聞いたことのある神々が多く登場します。
キーワード:神話、ギリシア、伝承、宗教、

神々は、自らの掟と階級を持つ社会を作り上げ、最高位には偉大な12の男女の神々がいました。(第3章より抜粋)


外国の神話を聞いて連想するのは、おそらくギリシア神話をあげる人が多いのではないでしょうか。ゼウスやアテナなど名前くらいは知っていましたが、どのような逸話があるのかまでは詳しく知らなかったので、ちょっと興味を持ち読んでみました。

アポロン、ヘルメスと多少は知っている神々はもちろんですが、パンドラ、ヘラクレス、ピュグマリオン、エコーなどもギリシア神話の登場人物とは知りませんでした。トロイアの木馬まで含まれているとは驚きです。それと、ゼウスはずっと創造主だと思っていたのですが、読み始めてすぐに勘違いしていたことに気がつきました。全知全能とかどこかで聞いたことがあったので、てっきりそうだとばかり・・・・・・。世界はカオスと呼ばれる混沌から始まったとされています。有名なオリュンポス12神が出てくるのは、少し後です。

神々は色恋沙汰が多いですね。一目惚れしたり、嫉妬に狂ったりと人間味にあふれています。特にゼウスは女性が好きで、次から次へと表現して良いほど遊んでいます。もっと堅苦しい神だと思っていただけに意外でした。

全体的に大まかな流れが分かるように、説明は簡略化されています。興味を持ったら詳細は他の本で、というスタイルなのでしょう。概要をざっくりつかむには分かりやすくて良いと感じました。



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[ 2016/01/27 21:15 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2015年11月03日(火)

老子・荘子 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 



著者:野村 茂夫 (著), 谷口 広樹 (イラスト)
発売日: 2004/12/25

評価〔B+〕 儒教とは違う道家思想について。
キーワード:中国、古典、思想、無為自然、徳

無為を為せば、即ち治まらざること無し。(第三章より抜粋)


道家の大家である老子と荘子の思想をまとめて老荘思想と呼ぶそうです。二人の名前はよく聞きますし、学校でも習った・・・・・・んでしたっけ? にも関わらず、内容の方はほとんど知りません。古代中国で生まれた儒教とは異なる思想・教えを分かりやすく説明した、老荘思想の入門書です。

儒教が成功・出世を目指した現実的なものならば、老子の教えは俗世間とは別の精神的な豊かさを目指したもの、だと感じました。自然体を何より好みます。赤ちゃんを道に近い徳のある者として褒めていて、徹底していると感じました。欲のない、未発達だが穏やかな世界を目指していたようです。

荘子の教えはさらに哲学的なものです。荘子の文章のほとんどが寓言で、分かりやすく書かれているはずなのに、内容が壮大過ぎて分かるような分からないような感じです。禅問答のような、宗教のような雰囲気です。荘子とは論理を重視する恵施との問答が、両者の違いを際立たせていて印象深かったです。

また、現代の日本でも耳にする言葉、「足るを知る」「大器晩成」や「朝三暮四」「胡蝶の夢」などの出典が二人の思想だと知って驚きました。前二つは老子、後の二つは荘子の文章で紹介されています。僕のように、ちょっと気になったから試しに読んでみよう、くらいの人に合っている解説書だと思います。



[ 2015/11/03 21:03 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2015年10月19日(月)

孫子・三十六計 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 



著者:湯浅 邦弘
発売日: 2008/12/25

評価〔A-〕 現代でも応用できる普遍性が凄い。
キーワード:中国、古典、戦争、孫子、

彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆し。(三 謀攻篇より抜粋)


中国の古典でおそらく論語と同じくらい有名なのが、この孫子の兵法書だと思います。後の為政者・軍人たちに大きな影響を与えたと言われれる本書。武田信玄の「風林火山」が有名です。その有名な古典を読み下し文・原文・訳文の順に書き、分かりやすく解説した孫子の入門書です。また、孫子の要点をまとめ、理解しやすくした兵法書、「三十六計」も説明しています。

全編ではありませんが、代表的なところは網羅されています。勝つための戦術的なことよりも、いかにして損害を少なくするか、負けないかを力説しています。戦乱の時に書かれ、もっと勝つことに拘っているのかと思っていたので、意外で印象に残りました。また、現代では当たりまえとなっている情報の重要性を、あの大昔に説いているのが凄いですね。用間篇でも、「成功を収めるのは予知しているから。予知とは、不可思議な力ではなく知性によって得られる情報である」とあります。格好良い。

また、「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」は知っていましたが、続きがあることは知りませんでした。上記の引用文がその続きです。なるほどね。覚えておきたいものです。「三十六計、逃げるに如かず」という言葉は、劣性の時に使う計謀。正しくは「走為上(そういじょう)」で、「走るを上と為す」と言うそうです。知りませんでした。

いつの時代でも応用できそうな考え方・価値観が随所に見られます。だからこそ、長い時を越えて、外国でも読まれているのでしょう。はじめにで、哲学の書と評されていた理由が分かります。しかし、完全に理解したとは言えないので、なにかの折にまた読み返してみたいと思います。





[ 2015/10/19 22:23 ] 実用 | TB(0) | CM(0)

2014年06月30日(月)

リチャード三世 (新潮文庫) 

リチャード三世 (新潮文庫)リチャード三世 (新潮文庫)
著者:ウィリアム シェイクスピア
出版社:新潮社
出版日:1974/01/30

評価〔B+〕 凶悪な主人公が歯止めなく悪事を働きます
キーワード:戯曲、シェイクスピア、イギリス文学、

「おお、残虐非道のリチャード! あわれなイングランド!預言してやるぞ、どんなみじめな時代も、いまだかつて見なかった恐ろしいことが、きっとお前のうえに起る。」(第三幕 第四場より抜粋)


王の一族であるグロスター公リチャード、のちのリチャード三世が権力を得るために、手段を選ばず邪魔者を排除していく物語です。イギリスの薔薇戦争を題材に書かれたシェイクスピアの初期の悲劇。

陰謀をめぐらし、身内を騙していくリチャードの姿はまさに極悪非道です。ある女性の夫と子供を殺しておいて、その女性を口説こうとするのには驚きました。自分の欲望のためなら無理かどうか悩まず、他人の気持ちも考えません。誰でも容赦なく退けていきます。彼がこれでもかとばかりに悪人の主人公として描かれていて、なんかすがすがしいくらいです。ただ、単に悪い奴としてではなく、頭が回り口も達者と無能ではないところが興味深いです。

登場人物が多く、かつ同じ名前の人物も何人かいるので、読むのに少々苦労しました。傍らにメモを書きながら読んだのは久しぶりです。それと、薔薇戦争について何も知らなかったので、巻末の解説は助かりました。もし、家系図を頭に入れてから読んでいたら、作品をもっと深く味わえたでしょう。こうした分かりやすい解説は、理解の助けになり本当にありがたいです。




[ 2014/06/30 20:41 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2014年03月25日(火)

今昔物語集 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス) 

今昔物語集 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)今昔物語集 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
著者:角川書店
出版社:角川書店
出版日:2002/03

評価〔B〕 本当に幅広い説話集です。
キーワード:説話集、古文、

さて、帰宅してこの一件を妻に語ると、「あなたっていう人は、盗人以上にしたたかでいらっしゃる」と言って、妻は吹き出した。(P178より抜粋)


十二世紀初めに成立した話数一千数十という巨大な説話集「今昔物語集」の紹介本です。他のビギナーズ・クラシックスと同じように、訳文・原文・解説の順で読みやすく分かりやすい構成になっています。

部台は日本だけかと思っていたら、天竺(インド)部や震旦(中国)部もあって、当時のありとあらゆる物語を集めたかのようで驚きました。シャカや帝から地方役人や盗賊にいたるまで、本当に様々な人物が登場します。しかし、有名人よりは一般人の話のほうが面白いです。変装した妻を口説く夫など、なんか現代でも存在しそうな人物ばかりで。また、芥川龍之介の小説の元となった作品もいくつかあって、どこか違うか見比べてみるのも面白いと思います。

千を超える説話集を二百数十ページにまとめたので分量は多くありませんが、もう少し見てみたい気もします。古典を読むと、昔も今も人は変わらないな~と思わずにはいられません。



[ 2014/03/25 21:14 ] 小説 | TB(0) | CM(0)