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2019年11月10日(日)

孤独の価値 



著者:森 博嗣
発売日: 2014/11/27

評価〔B〕 程度の問題かと。
キーワード:孤独、人生観、人生論、

言葉ではっきり書くと、孤独を怖れている人は、孤独がどれほど楽しいものか知らないのだ。(本文より抜粋)


メディアでは人と人の繋がり、絆が何かと取りあげられ連呼されています。それでは反対の孤独はどうなのでしょうか。最近では孤独死が問題になっていると聞きますが、寂しいから悪いものなのか、そもそも良いものなのか悪いものなのか。あまり深く追求されない孤独について小説家の著者があれこれ語ります。ひとり入門書。

小説家だけあって集団行動を好む人たちよりも一人でいる状態を好意的にとらえています。発想や創作は1人で行うものだと説き、孤独も悪くないと主張しています。欠点に見える寂しさとは何かも考え、受け入れる手段も考慮しています。エッセイにしては体系的ですがどこかふらふらしているところが、やはりエッセイなのかもしれません。

私は他人から一人でいるのが好きな人だと思われているので、孤独の良さについては概ね同意です。しかし、これでワイワイ騒ぐのが好きな人たちが孤独を愛するようになるかは疑問です。ふと不安や寂しさを感じた時に助けにはなるかもしれませんね。



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[ 2019/11/10 17:38 ] 随筆 | TB(0) | CM(0)

2018年04月07日(土)

哲学の練習問題 (河出文庫) 



著者:西 研
発売日: 2012/11/3

評価〔A〕 考えることは簡単なようで難しいです。
キーワード:哲学、本質、人生、社会、

人は意外なほど、ほんとうは自分は「何が」気になっているのか、をわかっていないもの。そこを見つめようとする勇気と、つきつめて根っこからわかろうとする意志から「考えること」ははじまる。(プロローグより抜粋)


教科書のような題名ですが、あまり専門用語を使わず素人でも読めます。しかし、分かると思って読んでいると、いつの間にか難しい問題へと突入しているので油断なりません。抽象的な概念が数多く登場します。

四章でも言及されていますが、唯一の真理や美はなく、本書を読めばてっとり早く全て分かるという訳でもありません。むしろ上記の引用のとおり、深く突き詰めて考えることの大切さを痛感するばかりです。生き方や人との関係の本質についてそれぞれ考えるきっかけを与えてくれる内容で、練習問題という題名がぴったりです。

ネットで時々見かける宇宙の果てはどうなっているの問題が取り上げられていて、それに対する解答(もしくは証明)が非常に面白かったです。宇宙を考えているのに、いつのまにか人間について考えているのが奇妙な感じです。また、異文化交流は違うから面白いのではなく、違いの中に共通性を見出すことが理解に繋がると書かれていて印象深かったです。まるっきり違う文化には本当に違和感しか覚えないのでしょうか。興味深いです。

各章の終わりには参考文献(推薦図書?)が挙げられていますので、気になった主題はさらに追いかけてみるのも楽しいかもしれません。こうした記述は読者の視野を広げる一助となるので、どんどん書いて欲しいです。




[ 2018/04/07 21:43 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2017年11月05日(日)

本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方 



著者:堀江 貴文
発売日: 2015/12/5

評価〔B+〕 率直で分かりやすい言葉でした。
キーワード:人生観、本音、言い訳、プライド、ネット、

本音で生きるために、まずやるべきは、「言い訳をしない」ということである。(1章より抜粋)


かつてライブドア社長として時代の寵児と持てはやされ、現在も精力的に様々な活動をしている著者が、後悔しない人生を送る方法を簡潔に伝えています。

要点は、本音は言ってやりたいことは今すぐやる。分かりやすいです。そのためには、お金や時間がないと言い訳しないとあり、具体的な解決策も提示している点が良いです。本文で、自分は拝金主義の権化のように扱われるが、世間のほうがお金にとらわれている、という一文が目につきました。彼を見た視聴者や読者が、自分の嫌なところを著者に投影しているみたいで興味深いです。

考えてしまう人間はチャンスを逃すのは、耳が痛い言葉でした。ゴルフのパターを例に、リスクをとることの意義を説いていて説得力があります。興味が出てきたら挑戦してみることが大切です。

意外なのは、睡眠時間は大切と書いてあった点です。睡眠時間なんて削っても平気、時間の無駄と主張するのだとばかり思っていました。また、物事の上手なやり方なんてなく、全てはトライ&エラーだと主張しているのも、ちょっと意外かな。覚えておこう。

すべて最適化せよ、では常に時間の使い方のよりよい方法を探っています。確かに効率はよくなりますが、なんだか疲れそうです。何もしない時間も欲しい私は、そこまで効率の良さは求めないけれど、こうした姿勢が現在の著者を作っているのは間違いないです。

他の人と大きく異なるのは、能力の高さではなくその行動力です。本人は当たり前のことだと思っていそうですが、これほど徹底して行動に移すのは難しそう。でも、少しでも見習って行動します。



[ 2017/11/05 21:30 ] 実用 | TB(0) | CM(0)

2017年07月30日(日)

男が働かない、いいじゃないか! 



著者:田中 俊之
発売日: 2016/3/18

評価〔B〕 男らしさとは何なのか。
キーワード:男性学、生き方、仕事、

家族に対する責任を果たし、苦難を乗り越えて働き続けるのが「男らしい」男だと言う人もいるでしょう。その考えを否定しません。しかし、それはあくまで個人的な好みの問題であることを理解してください。男だからという理由で、すべて男性が背負う必要はないのです。(第1章より抜粋)


ここ数十年で女性の社会進出が進み、生き方の選択肢は増えました。一方、男性はどうでしょうか。変化がないとは言いませんが、昔ながらの職場で仕事一辺倒の人が多い印象があります。そうした生き方に疑問を投げかけ、より豊かな人生を歩むため若者向けに書かれた男性学の入門書です。もちろん、中高年の方々が読んでもためになります。

よく見たり聞いたりするような意見や問いかけに対し、著者が答える人生相談のような形式ですので、少しずつ読んでも一気に読んでも大丈夫です。一つの質問につき回答が5ページほどで、気軽に読むことができます。研究や統計を使わないのは、入門書だからでしょうか。

題名にもあるように、働かない男性を肯定していますが、働いている男性を否定している訳ではありません。男性だからこうすべきと決めつけないで、違う生き方も模索してみることの価値を訴えています。男性のことなので仕事や職場のことが多いですが、結婚や社会全体についても扱っています。「女性をリードできないとダメですか」あたりは、男女ともに意見が分かれそうですね。

基本的には働き始めた男性向けの本ですが、それ以外の人、上の世代の男性や女性が読んでも参考になるでしょう。男だからと強要されずにすむ社会になるといいなあ。




[ 2017/07/30 11:57 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2017年06月08日(木)

男はなぜこんなに苦しいのか 



著者:海原純子
発売日: 2016/1/13

評価〔B〕 分かりやすく言うと時代の流れ。
キーワード:心理、男性、ジェンダー、仕事

整形外科や消化器科で抗うつ剤を処方されながら心の病気を否定している男性は多いのだ。(第1章より抜粋)


この題名ですと、男ばかりが苦労しているとも取れますが、内容は男性ならではの悩みやストレスに注目し、どうすればより良い生き方ができるのかを考察しています。

男はこうあるべしという信念や、この方法で順調だったので今後もこれでと従来の方法や価値観にとらわれ、結果として心の病で苦しむ事例が数多く挙げられています。どちらも一昔前では常識だったかもしれませんが、現代社会では柔軟に対応したほうが上手くいくことが多いと感じました。昭和的な価値観が全て悪いわけではありません。

印象に強く残ったのは、3章コラムの「男性の多くは、話を聞くなど気持ちを分け合うことが大きな支援となることに気づかない」です。確かに直接支援にばかり意識が向くことが多いので、周囲の人が困ったり悩んでいたら、声をかける等の直接支援以外の支えも心がけていきたいです。

後半は、承認欲求や自己実現願望、結婚やメンタルケアなど男女に限らず重要なことが書かれています。これらは他の本を読んで知っていたので、新鮮味はありませんでしたが、大切さを再認識しました。自分を知る手法としてエゴグラムが挙げられていたので、あとで久しぶりに診断してみようと思います。


[ 2017/06/08 19:56 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)