2017年03月02日(木)

さとり世代 盗んだバイクで走り出さない若者たち 



著者:原田 曜平
発売日: 2013/10/10

評価〔C+〕 バブル世代との違いが際立ちます。
キーワード:世代論、若者、ゆとり、さとり、不況、デフレ、バブル、団塊ジュニア、

原田「つまり、さとり世代は、もともと裕福なせいで物欲が育みにくかった上に、お金がなくても、ある程度良質なモノを得られてしまって、そこで満足しちゃっている。」(第2章より抜粋)


少し前まではゆとり世代と呼ばれていた若者たち、さとり世代とはどのような特徴を持つのか。彼らの対談から他の世代との違いや考え方を明らかにしていきます。

ひたすら解説ではなく、かわるがわる発言する対談形式なので読みやすいです。著者が司会を務めているので、あまり脱線することなく、知りたいことをうまく聞き出していると感じました。さとり世代誕生の要因は予想がついていたので驚きませんでしたけど、彼らの恋愛論や仕事に対する考え方は興味深いものでした。専業主婦の人気が高いのは意外だったかな。理解を深めたところで、最後のバブル世代との対談を読むと、ギャップが凄くて面白いです。バブル世代がアメリカ人のように見えます。(笑)

残念なのは、本書の冒頭で触れていますけど、意見を述べてくれた若者が都会の大学生だけだったことです。しかも、結構有名な学校で、著者の大人の調査に協力するような社交的で積極的な人たちばかり。地域も社会的立場も同じ人ばかりの集団で、これらの意見を若者の代表とするのは疑問が残ります。難しいとは思いますけど、もっと偏りのないバラバラな集団ならば良かったのですが・・・・・・。

参考にはなりますが、これ1冊でさとり世代を理解しようとは思わないほうが良さそうです。



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[ 2017/03/02 21:45 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2015年08月13日(木)

話が長くなるお年寄りには理由がある 



著者:増井 幸恵
発売日: 2014/8/18

評価〔B〕 加齢と価値観の関係にせまる。
キーワード:高齢、老年的超越、

九十歳くらいの高齢の方と話していていつも驚くのは、ちょっとしたことに対しても楽しみを感じている方が多いということです。(第1章より抜粋)


テレビで90歳や100歳の人がインタビューを受けているのを見ると、たいてい穏やかで幸せそうです。長寿の秘訣を聞くと、健康とはあまり関係ない趣味のことを話す人が多かったと思います。高齢者には何か共通の心理状態があるのでしょうか? 本書では、主に80歳を超える人々の心理について調査、考察したことを述べています。

思うに題名と副題が逆のような気がします。高齢者の心理学がメインで、その中の一項目として「話が長くなること」にも触れています。

年齢による価値観の変化、老年的超越が興味深いです。健康や社会的役割を重視しない、受動的ではありますが落ち着いた生き方です。昨今良く耳にする生涯現役とは違った価値観です。健康でずっと現役のように自立するのも良いのですが、自立できないことを受け入れて、できることがあると自信と満足感を持つのもまた良いことだと思います。減点社会の日本にはあまり馴染みのない価値観かもしれませんが、まだ何々ができるから幸せと言えるのは新鮮に感じました。

惜しいのは、80歳以上の人が少なかった昔はなかった分野で、調査も研究もまだまだこれからなことです。今後はさらに平均寿命が延びそうなので、こうした分野の学問の発達が望まれます。80歳はまだまだ先の話ですが、こうした考え方ができれば心地よい生活が送れそうです。



[ 2015/08/13 18:40 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2010年03月16日(火)

近頃の若者はなぜダメなのか 携帯世代と「新村社会」 

近頃の若者はなぜダメなのか 携帯世代と「新村社会」 (光文社新書)近頃の若者はなぜダメなのか 携帯世代と「新村社会」 (光文社新書)
著者:原田曜平
出版:光文社
発行:2010/01/16

評価〔A-〕 ケータイ世代を個性を解き明かします
キーワード:SF、現代

どうやら突然と言っていいほど急に、今の若者の間で過剰に気遣いをすること、すなわち空気を読むことが重要になり始めたようなのです。(はじめにより抜粋)


帯に「30代以上にはわからない」とあったので、興味を持ったのがきっかけです。中学生・高校生で携帯電話を持つのは当然といった現代の若者に関して書かれています。題名を見ると若者を批判する若者論のように感じますが、そうではありません。多くの若者たちへのインタビューから知った、ケータイによりネットワークが広がることによっておきる良い面と悪い面を述べています。

なぜ四六時中ケータイでメールを打っているのか、なぜ地元から出ない若者がいるのか、若者たちが“空気を読むこと”を重要視するわけなどを、「読空術」「新村社会」「半径5キロメートル生活」などの理解しやすい単語を用いて分析しています。ネットにある他人の体験を読んで理解したもしくは体験した気になる「既視感」は、僕も心当たりがあり納得してしまいました。著者は、彼らをケータイネイティブと表現しています。以前読んだデジタルネイティブみたですが、言いえて妙かもしれません。

また、著者はこの本は世代論ではなく時代論だと主張しています。世代間で批判すべきでなく、若者を客観的に分析して今の時代を読み解こうという試み。どちらかに偏らず良いですね。その結論の1つとして、今後、ネットワーク力によって人生が変わってくるという意見は、なかなか説得力がありました。最後の章だけ急に話が飛ぶような印象もありましたが。

読み終わって、空気を読まざるを得ない人間関係ってのはなんだか疲れそうと思ってしまいました。今時の若者が理解できないとお悩みの方は、手にとって読んでみてはいかがでしょうか。


(推敲しておきます。)


[ 2010/03/16 22:05 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)