2017年10月04日(水)

個人情報ダダ漏れです! 



著者:岡嶋 裕史
発売日: 2013/9/18

評価〔B〕 自分の情報は自分で守ろう。
キーワード:個人情報、ネット、スマホ、セキュリティ、

ビッグデータなどというものは大量の資金と人手を投入して分析する価値のあるものしか適用されず、したがって自分がその分析対象になることはないと油断していると、いつしかネット世界の有名人になっているかもしれません。(本文より抜粋)


企業の個人情報流出のニュースを時々目にします。忘れた頃に起きるものです。他の組織に渡した情報はしっかり守ってもらうとして、自分が保持している情報は大丈夫でしょうか? 知らないうちに誰かに見られているかもしれません。ネットが発達した現代だからこそ知っておきたい、セキュリティ基礎知識の入門書です。

分かりやすくQ&A形式で書かれています。質問も難しいものではなく、「会社でアニメサイト見たら怒られた。なんでバレたの?」などいかにもありそうな出来事ばかりです。単に結論だけでなく、ネットやコンピュータの仕組みから説明してくれるので、より深く理解できます。

難解な法律の記述はなく、個人情報という硬い言葉から想像していたよりも堅苦しくありません。著者の趣味がちょくちょく語られ、ざっくばらんな感じです。

ネットはそれなりに知っているつもりでしたが、知らないこともいくつかあり、特に野良アクセスポイントの罠(ハニーポット)は勉強になりました。セキュリティが甘い初心者ではなく、情報を読み取る上級者の可能性があるんですね。知りませんでした。

入門書ではありますが、ネットの専門家でなければ、知識を確認するために読んで損になることはないでしょう。



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[ 2017/10/04 21:50 ] 実用 | TB(0) | CM(0)

2015年05月10日(日)

ウェブはバカと暇人のもの 




評価〔A-〕 ネット漬けの編集者から見た世界とは
キーワード:ネット、ブログ、SNS、炎上、

何のモチベーションがあってそんなことをするのかと一瞬悩んだものの、結論は「暇だからやっている」としか考えられないのである。(本文より抜粋)


はじめて表紙を見た時は、年配の地位のある方がネットは良くないと説く本なのかなと思ったのですが違いました。ネットに精通したニュースサイトの編集者が、情報発信において頭の良い人以外の、いわゆる普通の人や頭の良くない人たちがネットをどのように使っているのかを豊富な実例をもとに説明しています。

ネットで受けるのはB級ネタは結構説得力があります。実際、暇つぶしはそういう面白そうな題名のリンクをクリックしてますからね。凄いニュースでも難解なもの、例えば学術的な発明などはあまり取り上げられていない感じです。ネットは居酒屋で雑談する場と同じというたとえはかなり的確なのではないでしょうか。うわさ話が好きなのも似ています。企業のサイト担当者は、このことを考慮すればうまくいきそうですね。

目を引いたのはクレーマーとネット炎上です。自分に直接害が及んでないのに他人の変わって抗議をする人々を、著者は暇人だと断じています。犯罪行為ならばともかく、価値観の違いでは?と感じることについても大勢でしつこく批判するのは、好ましいとは思えません。相手が企業の権限のない人で、反論するのが難しい立場の人ならなおさらです。飲食店の店員に、些細なことで説教をする人を連想させます。以前、何か炎上しているブログのコメント欄をチラッと見たことがありますが、本人そっちのけで喧嘩していました。意見交換ではなく、叩くために叩いている人がいると思わざるを得ない。

また、世間で言うネットの可能性がいかに幻想であるかが語られています。ブログを書けば文筆業になれる、サイトを開けば会社の知名度が上がり売り上げものびる・・・・・・そんなことは滅多にないと主張しています。最後の章で、ネットは便利だが画期的ではないと述べているのが印象に残りました。

副題にもあるように、著者はネットを諦観していますが、youtubeで活躍するテレビに依存しないネット発の人気者(ユーチューバー)が現れたり、炎上やクレームは対処法をわきまえた有名人が増えてきたように感じます。出版当時よりも、少しずつネットに希望が持てるようになってきているんじゃないのかな。

この題名だとネット利用者はバカか暇人だと誤解されると思います。もう少し題名を考えれば、変な先入観を与えずに読者を増やすことができたのに。鋭い指摘を含んでいるだけに、その点が惜しいですね。



[ 2015/05/10 11:07 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2011年08月27日(土)

ネトゲ廃人 

ネトゲ廃人ネトゲ廃人
著者:芦崎治
出版:リーダーズノート
発行:2009/05/01

評価〔B-〕 題名の意味を知らない貴方へ
キーワード:ネトゲ廃人、ネット、子供、教育、社会問題

「ところが、ある一線を越えてしまうと、もうゲームじゃなくなってくるんです」(第7章より抜粋)


数年前、ネットゲームで遊んでみようか迷ってた時期がありました。その時に、偶然「今からネットゲームをする人を止めるサイト」のようなところを見つけ、ネトゲ廃人たちの体験談を読み、大変驚いたのが印象に残っています。ネトゲ廃人とは、簡単に言えばネットゲームに凄くはまっている人のことを指します。中毒ではなく廃人です。はまりすぎて現実の生活にしている、そんな彼・彼女たちの体験談をまとめた本です。

ゲームは好きだけどネットゲームには疎い著者が、現役あるいは元ネトゲ廃人たちにインタビューをしたものが書かれています。数多くの人たちから集めているため、様々な意見や経験がつめられています。ネトゲに心を奪われた理由は十人十色で、ゲーム仲間との繋がりだったり恋愛だったりと、単にゲームが面白いからではないことが分かります。ネットでは現実とは違って、他人とすぐ心が通じ合う感覚があり、そのため夢中になりやすいという意見は、分かるような気がします。また、彼・彼女たちは廃人にならないためには「やらないこと」、自分の子供には「やらせない」と言っていて、経験者の言葉の重さを感じ、唸ってしまいました。

ネトゲ廃人が社会問題となっている韓国の例も取り上げて、客観的になっているのは良いのですが、著者が経験者でないためどうしても単調になりがちなのが残念です。我を忘れて遊ぶ姿や、プレイ時の台詞のやり取りや心境の変化などは、ネットにあがっている体験談のほうが興味深いです。上記のサイトのほうが生々しさやあって、言い方は悪いのですが面白かったですね。個々の記事を少し減らし、もう少し掘り下げてくれれば、より怖さが理解できるものとなったのでは。


テレビやネットで知っている方には、あまり目新しさはありません。ですが、まったく知らない方には、ネットゲームを始める前に読み、こういう可能性もあることも知っておいてもらいたいです。





[ 2011/08/27 21:09 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2009年11月11日(水)

デジタルネイティブ―次代を変える若者たちの肖像 

デジタルネイティブ―次代を変える若者たちの肖像 (生活人新書)デジタルネイティブ―次代を変える若者たちの肖像 (生活人新書)
著者:三村 忠史倉又 俊夫
出版:日本放送出版協会
発行:2009/01

評価〔C+〕 ネットの申し子世代たち
キーワード:インターネット、社会、世代、

もし、近藤さんたちのようにインターネットを水や空気のように感じ、当たり前に使いこなす子供たちが、どんどん社会進出を始めたら、決して負の側面だけでなく、正の側面でも社会を変えていくのではないだろうか。(本文により抜粋)


パソコンやインターネットを意識せず使いこなし、新しい価値観や意見を持つとされる「デジタルネイティブ」について書かれた本です。この本は、NHKで取材・放映された特別番組の書籍化したものです。ネットに明るいとは言えない著者が取材しているので、あまりネットに詳しくない人でも読むことができると思います。

13歳でCEOになったアメリカの少年や「はてな」の社長である近藤氏、社会問題に取り組むアフリカの青年を取り上げ、ネットを介して仕事をこなしたり、SNSを使い自分の世界を広げている例を紹介しています。デジタルネイティブたちの、ネットへの信頼・情報の非独占などの基本的な概念は、あらためて文章化されるとなんだか感心してしまいました。目を引いたのは、大企業を辞めた人たちの、大人数だと何でも妥協と歩み寄りが必要だという意見です。すぐにまとまらないのが弱点なのだ。

おおむね予想していたとおりの内容で、正直、新鮮味や驚きはあまり感じられませんでした。ネイティブとあったので、仕事ができる有能な人ではなく、ごくごく普通の学生が自分の知らないネットの使い方や想像もしなかった生活をしているのかな?と思っていましたので……。期待しすぎたのかもしれませんね。何年か前に出版していれば、違った感想を抱いたかもしれません。

新聞やテレビはネットの悪い点ばかり伝えている感じがしますが、本書はテレビ番組発ですがネットの良い点を伝えようとしているのは好感が持てました。毎日ネットに接しているヘビーユーザーには薦められませんが、ネットはメールをする程度の人には面白いと思うので、ドキュメント番組代わりに読んでみてはいかがでしょうか。





[ 2009/11/11 22:16 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)