2012年06月03日(日)

ようこそ地球さん 

ようこそ地球さん (新潮文庫)ようこそ地球さん (新潮文庫)
著者:星 新一
出版:新潮社
発行:1972/06

評価〔B〕 機知に富むSFショートショート。
キーワード:SF、ショートショート

「まともにむかったら勝てる相手ではないだろうが、われわれ地球人にだって、数千年つちかわれた知恵がある。やつらをまるめこむことだって、できるだろう」(友好使節より抜粋)


子供の頃、生まれて初めて読んだショートショートが本書の作者・星新一でした。わずか数ページの物語にもかかわらず、分かりやすい筋書きとちょっと捻ったそのオチに感服したのを覚えています。僕が読書が好きになった要因の一つです。

宇宙や異星人、未来の技術が数多く登場して、読者の好奇心を刺激するとともに、独創的なアイディアとオチが面白いです。中には、現代社会の風刺であったり、人生の教訓めいたことであったり、楽しむだけでなく考えさせてくれる短編もあって深いです。個人的にどんでん返しのイメージが強い著者の短編ですが、本書は寓話のような深みのある物語が多く目立ちました。「処刑」「殉教」あたりがそれかな。「セキストラ」「テレビ・ショー」等の人の欲望に関する短編も、もしかしたらそうなるかもしれない未来を垣間見た感じで興味深いです。

ただ、捻ったオチを期待していただけに、短くスパッと終わる「不満」「悪をのろおう」等のどんでん返しタイプのものが少なめだったのが少々残念でした。 全体的に渋い。

ちなみに、新潮社発行の『人造美人』と『ようこそ地球さん』から、文庫本『ボッコちゃん』に載らなかった残り全てを収録したのが本書なので、既に前の2冊を持っている方はご注意ください。

先ほど調べてみたら、昔から現代に至るまで、国語の教科書に多くの短編が採用されていることを知りました。面白く、公にもその質が認められたショートショートの神様の作品。活字嫌いな方に読んでもらいたいです。






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[ 2012/06/03 21:43 ] 小説 | TB(1) | CM(0)