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2018年08月30日(木)

IoTとは何か 技術革新から社会革新へ 



著者:坂村 健
発売日: 2016/3/10

評価〔B+〕 先の先まで見えていて凄い。
キーワード:IoT、ユビキタス、インダストリアル・インターネット、オープンAPI、ガバナンス、

前述の「閉じたIoT」を超えて、「インターネットのように」なることが、「世の中を大きく変える」にあたり重要なポイントなのである。(第2章より抜粋)


時々目にするIoT(Internet of Things)なる単語、意味は物のインターネットですが具体的にはほとんど知らず、オール電化の家くらいのイメージでした。しかし、本書を読むとインターネットと同様に社会を変えてしまう可能性を持つものだと分かります。

最先端の研究者であり、はじめにでも触れられているように設計者・技術者の意図が書かれているので、より深く知ることができます。既に行われているIoT実証実験の先、全ての物に識別番号をつけて繋げるオープンなIoT、さらには著者の提唱するアグリゲート・コンピューティングまで見据えていて、さすがはTRONの開発者だなあと驚きました。それにしても全ての物に128bit、10進法で39桁の数字をふるのか。SFじみてきたなぁ。

また、単なる解説を超えて、技術的問題点に加え社会的問題点、特に後半では日本の問題点も大きくとりあげられていて、何がどこまでできていて、どの点が他の国に後れを取っているのかが詳しく説明されていて良かったです。失敗しないようにしていると、後で大きな失敗となる。オープンな社会の重要性が理解できました。

理解があやしい箇所もありましたけど勉強になりました。シンクライアントなどの専門用語が解説なく書かれているので、ITの知識がまったくない方には読むのは困難かもしれません。AIとは違ったコンピュータの驚異的発展は興味深かったです。



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[ 2018/08/30 21:40 ] 実用 | TB(0) | CM(0)

2017年08月03日(木)

萌え家電 家電が家族になる日 



著者:大和田茂
発売日: 2015/6/25

評価〔C+〕 将来の予測をもっと読みたかったです。
キーワード:家電、電気電子工学、テクノロジー、科学読み物、AI、

人間が人間以外のモノと対話するなんて寂しすぎる、と思う方もいるかもしれない。しかし実際には、人間とは人間以外のもの、たとえば機械に対するコミュニケーションであっても、人間に対するときと同じような反応をしてしまう性質がある。(第1章より抜粋)


家電と言えば高性能や新機能が売りでしたが、最近ではかわいい家電の人気が出てきました。一見役に立たない機能が、どうして利用者に好かれるのか。萌え家電の歴史を辿り、日本の文化やAIを踏まえて考察しています。

身近な具体例として挙げられたものは、AIBOやルンバ、SiriやMMDと知っていることが多かったので、あまり新鮮さはありませんでした。しかし、知っているとはいえ、こうした人間の相手としての家電や道具が結構あって、確かに萌え家電への流れが起きつつあるのかもしれないと感じました。ロボットに近いけれど、本書で扱っているのは人型に限らない人間味のある機械と言ったところ。

萌え家電の人気の秘密を考察した最後の章が、興味深かったです。特に、人間がどのようなものに生き物を感じるのかは、簡潔ながらも分かりやすくて面白いし、外見が人間そっくりではなくデフォルメされたもの(萌え絵)が好ましい理由も説得力があり頷けます。現状よりも、こうした分析や将来の予測についてもう少し読みたかったです。

コンピュータやAIが進化していくと、最後はやはり人間そっくりのロボットに行き着くのでしょうか。本書からロボットやAIの本を読んでいくのもいいかも。私は逆でしたけど。




[ 2017/08/03 22:16 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

2016年06月15日(水)

人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの 



著者:松尾 豊
発売日:2015/3/10

評価〔A-〕 超えるのはもうしばらく先になりそうだけど・・・・・・。
キーワード:人工知能、科学、コンピュータ、IT、

ディープラーニングによって、これまで人間が介在しなければならない領域に、ついに人工知能が一歩踏み込んだのだ。(本文より抜粋)


日本で屈指の人工知能の研究者が、人工知能がどのように発展してきたか、人工知能にとって何が難しいかを、分かりやすく解説しています。

上のサムネイルは単行本版ですが、所持しているのはKindle版なので、アニメ「イヴの時間」で登場する人工知能が表紙のものです。そういえば、数年前、学会誌にアニメ風のイラストを使用したことで話題になったことがありました。それが著者が編集長を務めたものだそうです。

人工知能をレベル分けして、流通倉庫の労働者や天気予報を例にした説明は、かなり分かりやすく面白かったです。後者の説明によって、ディープラーニングと特徴が完全に理解したとは言えませんが、分かったような気になりました。自分で概念を獲得する、つまり自分で物事を区別する線引きができるようになるのは、相当凄いですねよ。

そうして得た意味・概念が、人間のものとかなり違ってしまう可能性があり、今度は人間と人工知能とのやり取りを難しくと予測しているのは、専門家ならではの発想だと思いました。これは本能の話と連結していて面白いです。生物が持つ本能も、もしかしたら人工知能が獲得する日が来るのかもしれません。

欲を言えば、もう少し現在の研究を紹介してほしかったです。半分くらい人工知能の歴史でしたので、新しい事例を知りたかった。また、技術的な記述が多いので、機械で生活や社会の仕組みがどう変化するのかを知りたい方には、やや物足りない内容かもしれません。

本書の題名の問いには、最後に答えが書かれています。科学者・研究者の予想は当たるとは限りませんけど、最先端を走っている著者が言うと説得力がありますね。どうなるんだろう。



[ 2016/06/15 22:07 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)