FC2ブログ







2008年02月05日(火)

イン・ザ・プール 

イン・ザ・プール (文春文庫)イン・ザ・プール (文春文庫)
著 者:奥田 英朗
出版社:文藝春秋
発行日:2006/03/10

評価〔B〕 何療法というのだろう
キーワード:神経科、精神科医

恐る恐るドアをノックすると、中から「いらっしゃーい」という甲高い声が聞こえた。(本文より抜粋)


空中ブランコの文庫本が平積みになっているのを見かけて、ふと読んでみたいと思っていたのを思い出しました。でも確かこれって続きものだったはずと思って探してみたら、前作のイン・ザ・プールが見つかったので、まずこちらを読んでみることにしました。できることなら順番どおり読みたいので。

ある総合病院の地下にある神経科の医師と、その患者たちのお話です。神経科は、言い換えれば精神科です。心療内科となっているところもあるんじゃないのかな。こう書くと暗いのかと気が滅入ってしまうかもしれませんが、ご心配なく。精神科の話ですが重くなく、むしろ軽く感じで話は進みます。悩みが主題で、ここまで軽く明るいのは凄いと思います。

患者たちは悩みによって体の調子がおかしくなったり、日常生活に支障をきたしています。依存症、妄想癖など一般的な感覚からすると変にみえる患者たちですが、治療をする精神科医の伊良部はもっと変な人物です。原因を探ったりせず、逆にそうしたらマズイのではと思うようなことを平気でするのですから。まるで子供のように振る舞い、患者を困惑させます。そのやりとりが奇妙で、また喜劇的で面白いです。携帯電話依存症の少年がでてくるフレンズがお気に入り。

【ここからネタばれ】
フレンズで、マユミが雄太に「淋しいけど一人がらく」と言うと、最後の電話のシーンが好きです。一見冷たく、しかし暖かい対応。あれも治療といえば治療なのではないでしょうか。

妄想癖の広美は実際にいそうですし、小さな心配事から発展する義雄の強迫神経症も誰しもなりうる可能性があります。うまいなあ。

【ネタばれここまで】

悩んでいる人にとって悩みとは重要なことですが、この作品を読むと、悲劇ではなく喜劇なのではとさら思えてきます。変に見える患者たちも理解できない性格ではなく、共感できるところもあります。神経科・精神科というと何だか頭がおかしくなってしまった人たちが来るところを想像する人が多いと思いますが、実際はそんなことなく、眠れないとか食欲がないとかそういう人も沢山います。通院暦のある人間がいうのだから間違いない。笑ってストレス解消してもいいですし、物語の裏にある悩みや神経科について少し考えてみるのもいいと思います。





アップロード実験中。気にしないで下さい。
テーブルタグなし↓
イン・ザ・プール (文春文庫)イン・ザ・プール (文春文庫)
著 者:奥田 英朗
出版社:文藝春秋
出版日:2006/03/10

評価〔B〕

スポンサーサイト




[ 2008/02/05 18:52 ] 小説 | TB(1) | CM(2)

先日は、ありがとうございました。
こちらにもトラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
[ 2009/07/25 18:07 ] [ 編集 ]

2度目のトラックバック、どうもです。

自分が読んだ本を他の人が読んでいると知ると、なんだか親近感がわいてきます。今度もよろしくお願いします。
[ 2009/07/28 23:00 ] [ 編集 ]

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://tonaku.blog51.fc2.com/tb.php/9-edb2d334


イン・ザ・プール 奥田英朗

伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。 色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち...
[2009/07/25 18:06] URL 粋な提案