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2008年05月17日(土)

失はれる物語 

失はれる物語 (角川文庫)失はれる物語 (角川文庫)
著者:乙一
出版:角川書店
発行:2006/06

評価〔C+〕 未読の話が好きじゃなかった。
キーワード:短編集、切ない

まるで、自分への気持ちに気づいた死後の鳴海マリアが、白猫を操り、自分を殺害した犯人の捜索を僕に命じたようだった。(マリアの指より抜粋)


作品が漫画化したり映画化したりとなにかと人気の乙一の短編集です。切ない話を書いたかと思ったら次はホラーだったりと変化に富み、読んだ本によってイメージが変わる作家さんだと思います。

この本は、かつて出版した作品の中から再収録ものが大半で、目新しいものはほとんど期待できません。僕も収録元の本を3冊とも持っているのですが、未読の話もないわけではないので読んでみました。

未読の「マリアの指」は推理小説となっていますが、それほどアリバイやトリックに凝らず、話の筋を重視したホラーっぽい話です。淡々と進んでいくのは、同著者の他作品の「GOTH」を彷彿させます。しかし、あまりのめり込めず、それこそ「GOTH」のようには楽しめませんでした。途中、主人公が車の中で推理を進めていくシーンは良かったんだけどなあ……中心にいたマリアその人の印象が良くなかったんだろうか。

既読の話は以前読んだ時と同じように楽しめました。「しあわせは子猫のかたち」は何度読んでも心にしみいる良い話です。また「失はれる物語」は心情をつぶさに描写して、なんとも言いがたい気持ちにさせてくれます。

期待していた未読の話が、2つとも乙一の他の作品で読めるような感じだったから、少し物足りないような感じです。期待しすぎかもしれません。もしも、全作品未読の状態でこの本を読んだのなら、もっと評価は上だったでしょう。それは確かだと思います。著者の作品は好みなので、これからもまた読んでいくつもりです。


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[ 2008/05/17 19:26 ] 小説 | TB(1) | CM(2)

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[ 2009/05/09 18:13 ] [ 編集 ]

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[ 2009/05/12 21:55 ] [ 編集 ]

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