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2019年11月10日(日)

雀蜂 



著者:貴志 祐介
発売日: 2013/10/25

評価〔C+〕 前半が単調でなければ。
キーワード:蜂、山荘、アナフィラキシー・ショック、

そのとき、俺の鋭敏な聴覚は、またもやあの音を聞きつけた。(P18より抜粋)


雀蜂に刺されたことはありませんが、一度刺されたことがある人には分かる恐怖なのかもしれません。小説家の安斎は夜中に目が覚めると山荘の中に蜂を発見します。医師からもう一度刺されたら命にかかわるかもしれないと宣告された彼は、危機的状況を逃れようと奮戦します。

蜂に追われる恐怖について何回も同じような展開だったのが残念でした。弱点も分かっている昆虫が相手なので、得も言われぬ不安や未知の恐ろしさはなかったのが原因かもしれません。エピペンなる緊急時用の薬があるのは知りませんでした。

終盤の展開は予想していなかったので驚きました。伏線は感づいていたのですが、真相まで分かりませんでした。ただ、裏表紙の文章で内容をにおわせてしまうのは良くないのではないでしょうか。ネタバレとは言いませんけど、それに近いと思います。

著者の他の作品と比較すると少し物足りなかったです。特に前半は大味でした。次の作品に期待します。



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[ 2019/11/10 17:40 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2019年11月10日(日)

孤独の価値 



著者:森 博嗣
発売日: 2014/11/27

評価〔B〕 程度の問題かと。
キーワード:孤独、人生観、人生論、

言葉ではっきり書くと、孤独を怖れている人は、孤独がどれほど楽しいものか知らないのだ。(本文より抜粋)


メディアでは人と人の繋がり、絆が何かと取りあげられ連呼されています。それでは反対の孤独はどうなのでしょうか。最近では孤独死が問題になっていると聞きますが、寂しいから悪いものなのか、そもそも良いものなのか悪いものなのか。あまり深く追求されない孤独について小説家の著者があれこれ語ります。ひとり入門書。

小説家だけあって集団行動を好む人たちよりも一人でいる状態を好意的にとらえています。発想や創作は1人で行うものだと説き、孤独も悪くないと主張しています。欠点に見える寂しさとは何かも考え、受け入れる手段も考慮しています。エッセイにしては体系的ですがどこかふらふらしているところが、やはりエッセイなのかもしれません。

私は他人から一人でいるのが好きな人だと思われているので、孤独の良さについては概ね同意です。しかし、これでワイワイ騒ぐのが好きな人たちが孤独を愛するようになるかは疑問です。ふと不安や寂しさを感じた時に助けにはなるかもしれませんね。



[ 2019/11/10 17:38 ] 随筆 | TB(0) | CM(0)

2019年11月10日(日)

2019年10月の読書メモ 

無能なナナ 5〔A-〕
俺は絶対探偵に向いてない〔B〕
アイデアを盗む技術〔C+〕
女騎士「姫には死んでいただきます。」 1〔B+〕
ストーカーズ 1〔B〕

「時間の使い方」を科学する〔B+〕
アウト&アウト (講談社文庫)〔C+〕
女騎士「姫には死んでいただきます。」 2 〔完〕〔B+〕


以上、8冊でした。なんとか8冊読んだと言った感じです。時間があまり取れないので漫画ばかりになるかと思いましたけど、意外と活字の本も読むことができ、その点では良かったです。

評価がやや低めですが、思い切ってつけないとどれもBになりそうなのでCもつけました。はたして今年中にSやDが出るのでしょうか?


[ 2019/11/10 17:33 ] 月別まとめ | TB(0) | CM(0)

2019年10月29日(火)

女騎士「姫には死んでいただきます。」 2 〔完〕 



著者:りしん、 あぶぶ
発売日: 2019/5/25

評価〔B+〕 姫の記憶力すごくない?
キーワード:ゲーム、脱出、漫画化

「そんな・・・まさかこんなことになるなんて・・・」(本文より抜粋)


この巻でも姫が嫌と言うほど失敗を重ねます。何度でも挑戦するその根性は目を見張るものがあります。姫、という言葉に似つかわしくはありませんが。

ひたすら同じことを繰り返すのかと思いきや、単なる脱出ものから転進します。結末は1つではなく、途中からゲームブック方式で簡易版マルチエンドとなっています。このあたりも原作がゲームであることを意識した結果でしょうか。変わらないと思われた彼女も最後は少しだけ成長して、ギャグなのですが読後感は良かったです。

だらだら引き伸ばすことなくテンポ良く綺麗に終わり、面白かったです。著者の他の漫画にも興味がわいてきました。



[ 2019/10/29 21:20 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2019年10月29日(火)

アウト&アウト (講談社文庫) 



著者:木内 一裕
発売日: 2011/7/15

評価〔C+〕 結構ひどい話だと思います。
キーワード:探偵、ヤクザ、文庫化、

「俺に証拠は必要ない」(第一章発端より抜粋)


私立探偵・矢能は依頼人との待ち合わせ場所に行ってみたら、死体を発見し事件に巻き込まれていくといった探偵小説です。出だしだけ書くとよくありそうですが、本書が他と違うのは探偵が元ヤクザであること。これは著者の「水の中の犬」の続編です。巻末の解説で初めて知りました。

矢能は元ヤクザなのでなかなか足を洗えず探偵家業をがんばる人物なのかなと思ったら、探偵とは名ばかりのまだそちらの世界の住人で少々面喰らいました。彼の周囲の人物はまっとうな人間は少なく、彼自身まったく探偵らしくありません。推理小説や探偵小説ではなく、ハードボイルド的な何かです。

事件は上手くおさまったなと感心しましたけど、主人公の矢能は好きではないのでどうしても印象が良くないです。彼を格好良いと捉えるのか悪者と捉えるのかで評価が分かれそうです。本書が続編であることを考慮すると、好意的な人が多そうですね。また、不幸な結果で終わってしまう人が少なくないのもあまり良い気分ではありませんでした。

評価するに当たって作品の出来よりも好みが大きく影響した小説でした。


[ 2019/10/29 21:18 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2019年10月23日(水)

「時間の使い方」を科学する 思考は10時から14時、記憶は16時から20時 



著者:一川 誠
発売日: 2016/7/15

評価〔B+〕 公私ともに使えそう。
キーワード:時間、実用、サーカディアンリズム、目標勾配、

この規則性は、総合的な印象は、最も明確であった際の印象強度と最終段階での印象強度によって決定されているということで「ピーク・エンドの法則」と呼ばれています。(第9章より抜粋)


時間を科学するのではなく、使い方を科学的に考察する本です。学問というよりは実用書っぽいです。

心理学の研究によって分かってきた人の心の時間的特性が紹介されています。ひとつの項目を深く掘り下げるのではなく、いくつもの項目が列挙されていて雑学の本のようです。主観的な時間の長さ、身体変動のリズム(サーカディアンリズム)、作業効率を高める手段など様々な面から研究しているのが分かります。各章はコンパクトにまとまっていて読みやすいですし、「はじめに」でも書かれているように自分の興味がある章から読んで試してみるのも良さそうです。

印象に残ったのは上記の引用の「ピーク・エンドの法則」です。事後の印象はピークとエンドの中間になりやすく、持続時間は影響しないとのこと。確かに終わってみれば長時間嫌なことがあった時よりも、ごく短時間すごく嫌なことがあった時のほうが嫌です。楽しいときもそうかもしれません。関連して楽しい時間を長引かせる方法、すなわち細部に注意して、代謝を上げ、刺激を受けることの3つも覚えておいたほうが得しそうです。

他にも時間を作り出す技術、優先順位を決めるなどもすぐにでも使えそうな技術がいくつも書かれています。ちょくちょく読み返したい本です。



[ 2019/10/23 21:06 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2019年10月23日(水)

ストーカーズ 1 



著者:ハナツカシオリ
発売日: 2018/12/22

評価〔B〕 するのもされるのもゴメンです。
キーワード:ストーカー、恋愛、連作短編風、

私は佐伯くんのことをなんでも知っている。(第1話前編より抜粋)


何やら不穏な題名ですが、重く怖い恋愛劇ではなく軽めのラブコメの連作短編集風です。同じ人物がずっと登場するのではなく、いくつかの物語が並行して進んでいきます。一人ではないのでストーカーズ。

基本的に遠くから見ているだけだったりネットで調べたりしているだけなので、微笑ましいといえば微笑ましいです。恋する女の子があの人はかっこいいなあーと想うのは普通の恋愛漫画のようです。しかしそこはストーカー、ポストやゴミを調べている場面になると一気に危険なかおりがします。内容紹介文の「ちょっと怖くて、ちょっと面白い、純愛サスペンス」は巧いですね。

面白いですがストーカー行為を笑えるかが評価の分かれ目です。実際に被害にあった人や周囲の人が被害にあったことがある人は素直に楽しめなさそうです。明るく軽めに書いていますが違法ですし。創作と割り切って読むことができるなら、珍しいラブコメとして楽しめると思います。

すぐアイデアに詰まりそうな題材ですが、明るく楽しく描いてほしいです。



[ 2019/10/23 21:04 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)